フリーで持ち上がった谷口が前線に縦パスを入れることで攻撃のスイッチが入り、全体が前へと動き出すシーンは何度もあった。遠藤も縦パスを入れられるが、中国戦での谷口のそれも目立っていたのだ。

　ただ、海外組が合流してチーム練習をしたのは、中国戦までわずか3日。それゆえ、思うようにいかないところもあった。

「持ち上がってパスを出そうとする時に間が空いているのが見えているんですけど、前の選手の受ける感覚もあるので自分のタイミングで出していいのかとか、パスを出すのにためらうシーンがあった。これからコミュニケーションを取って確認してやっていければ、もっと良くなると思います」

森保監督も評価「高いレベルで表現してくれた」

　守備については、相手に決定的なチャンスを与えるシーンはほぼなく、シュートも2本に抑えた。空中戦も地上戦もフィジカルなどで負けることはなく、板倉と遠藤との守備連係にもミスはなかった。力の差があったとはいえ、クリーンシートで試合を終えたのは勝ち点を得たことと同様に大きかった。

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　谷口と板倉に対して、森保一監督は「一つのボールの動きに対して、状況に対して、お互いのイメージが合っているところを今日の試合の中でも見せてもらった。今、彼らができるベストなことをお互いの関係で表現してくれました。また、チームとしてのコンセプトを高いレベルで表現してくれたと思います」と彼らのプレーを評価している。

主力への想い「『二人がすごい』で終わってはダメ」

　まずは中国戦を無事に戦い終えた日本代表だったが、谷口は厳しい表情を崩さなかった。次戦のサウジアラビアはグループ首位のチームで強敵であり、そこで結果を出さなければ代表に生き残れないということを強く感じていたからだ。

中国戦をクリーンシートで終えた谷口。すぐにサウジ戦へ気持ちを切り替えていた　©JMPA

　そう思うのは、吉田麻也と冨安健洋の力を認めていたからでもある。昨年11月アウェイのオマーン戦で代表入りした際、谷口は吉田と冨安から大きな刺激を受けた。

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