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「長友を代える必要あった?」「陰のMOMは田中碧」「内容に不満があるのは…」三都主アレサンドロが“快勝サウジ戦”を斬る
posted2022/02/03 17:02
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Hiroaki Sawada(L),Takuya Sugiyama/JMPA
元日本代表左SB三都主アレサンドロ(元清水エスパルス、浦和レッズ、名古屋グランパス、栃木SC、FC岐阜など)は、2016年末にブラジルで現役を引退後、生まれ故郷のパラナ州マリンガに選手育成専門のクラブ「三都主サッカーアカデミー」を設立。組織の運営と選手の指導にあたっている。
これと並行して、愛知県小牧市に本社を置く人材派遣会社がマリンガに創設したプロクラブASB(現在パラナ州2部)のCEOを務め、多忙な日々を送っている。
日本代表では、2002年から2006年まで歴代15位の82試合に出場して7得点。2002年ワールドカップ(W杯)、2006年W杯のアジア予選と本大会などに出場し、2006年のアジアカップ予選でサウジアラビアとも対戦している(アウェーで0-1の敗戦/ホームで3-1の勝利)。
2月1日に行なわれた2022年W杯アジア最終予選第8節の日本対サウジアラビアは、ブラジルでも同時中継された。1月27日の中国戦に続き、この試合も見てもらって感想を聞いた。
田中碧が攻守両面で素晴らしかった
――日本が、極めて重要な試合でしっかり勝ちました。まず、守備面をどう評価しますか?
「谷口(彰悟)と板倉(滉)の両CBを中心に、組織的に良く守った。酒井(宏樹)、長友(佑都)の両SBは守備の意識が強かったし、中盤の3人も連動したプレスで相手ボールを奪い取っていた。特に、田中(碧)が攻守両面で素晴らしかった。伊東(純也)、南野(拓実)らアタッカーも精一杯の貢献をしていた。この試合も無得点で終えられたのは素晴らしい(注:日本は4試合連続無失点)」
――試合序盤はサウジアラビアのペースに見えました。
「ペースを握られた、というほどではないが、前半25分くらいまではボールを持たれることが多かった。でも、大きなピンチはなかった。その点は評価したい」
単純なスピード勝負なら伊東が勝つに決まっている
――ただ、せっかく相手ボールを奪ってもすぐにパスミスなどでボールを失い、また攻められることが多かった。これはなぜでしょうか?
「重要な試合ということで、選手たちに緊張や気負いがあったと思う。ペースの奪い合いで、少し後手に回った。でも、小さなミスが出ても、忍耐強くプレーしていた」
――序盤のやや難しい時間帯を乗り越え、前半32分、日本が先制します。