Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「持てる力は出し切った」が…攻めの采配で疲弊した選手を救えなかったか 「よくやった」で終わらずW杯でリベンジを《U-24日本代表》
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJIJI PRESS
posted2021/08/07 11:10
メキシコに一矢を報いた三笘薫のゴール。本来の輝きを放った背番号11をもう少し長く……との思いもよぎる
しかし、メキシコ戦は正真正銘のラストマッチだったのだ。負傷明けの三笘と上田のコンディションの問題もあったのかもしれないが、ここまで頑張ってきた選手の努力と成長に報いるためにも、最後は監督の采配力で彼らに銅メダルをもたらしてもらいたかった。
敗北を「よくやった」と美化せず、A代表への戦いへ
2017年12月から始まった東京五輪代表チームの挑戦は、これで終わった。
オリンピックが1年延期されたこともあり、本当に長かった。タイに行き、中国に行き、インドネシアに行き、パラグアイに行き、ブラジルにも行った。本大会を迎えてからは、痺れるシーン、胸を打たれる場面の連続だった。
しかし、だからといって、この敗北を「よくやった」と美化するつもりはない。
地元開催だったから、長距離移動も時差もなく、気候への順応においても大きなアドバンテージがあった。周到な準備を重ね、指揮官が望むベストメンバーも招集できた――つまり、金メダルを獲得する千載一遇のチャンスだったのだから。
森保監督と彼らの挑戦がこれで終わったわけではない。舞台はA代表に移り、戦いは続いていく。
9月2日にはカタールW杯アジア最終予選が開幕し、22年11月にはカタールW杯が待っている。
東京五輪代表の戦士たちには、A代表で夢の続きを見せてほしい。
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