「同じ相手にこれほど違う試合をしちゃうか」

「同じ相手にこれほど違う試合をしちゃうかと思いましたし、早い時間に点が取れた1試合目が出来過ぎていたのもありますけど、相手がしっかり耐えて1点を取りに来たのに対し、自分たちは崩れてしまったのかなと思います。

　後半なんか何点取られてもおかしくないシーンがありましたし、自分たちは前掛かりで行っているようで、あまり人数を掛けられていない。カウンターは喰らうし、いいことはなかったと思います。

　途中から入ってきた薫くんがすごくフレッシュな風をもたらしてくれて、自分は途中から薫くんばかり探して、フリーなら薫くんにって。薫くんならなんとかしてくれるんじゃないかと、最後は人任せになってしまった。全員が自信を持ってやれたら、あのくらいの相手なら圧倒することができたと思うので、すごくもったいなかった」

　選手たちが自信を持っていないようには見えなかったが、中2日で5試合を戦ってきて、しかも直近の2試合が120分に及んだことの疲労が判断を鈍らせ、技術面のミスを招いているようには感じられた。

遠藤航を責めることができようか

　その最たる例が、ボランチの遠藤航だろう。

　この日はミスが散見され、ボールを奪い切れず、軽率なファウルでPKを献上したばかりか、セットプレーでマークを外し、ゴールを許してしまったのだ。

「あそこで自分がやられたのがすべて。批判は全部自分にしてもらえればな、と思います」

　遠藤は自身のミスと責任を素直に認めた。

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　しかし、誰に彼を責めることができようか。

　メキシコとの第2戦、フランスとの第3戦ではボールを激しく奪い取ったり、果敢に前に運んだりして中盤を制圧した。

　準々決勝のニュージーランド戦でPK戦に突入した際には、「自分が蹴って決めたい」と5番手のキッカーに名乗りを上げた。結果、遠藤に順番が回ってくる前に決着したが、4番手の吉田に「外しても大丈夫ですよ、俺が決めますから」と伝え、プレッシャーを軽減させてもいた。

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