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【非難の嵐でプレミア勢が即脱退】参加すれば260~390億円ボーナス 強欲な欧州スーパーリーグ構想は「フットボール界の内戦」 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2021/04/21 11:04

【非難の嵐でプレミア勢が即脱退】参加すれば260~390億円ボーナス 強欲な欧州スーパーリーグ構想は「フットボール界の内戦」<Number Web> photograph by Getty Images

(左から)ユーべのアニェッリ会長、レアルのペレス会長、マンUのグレイザーオーナー。欧州SLの“首謀者”と見られている

レスターのような“奇跡”があるからこそ

 今回物議を醸した12クラブのオーナーのなかには、出生地のアメフトクラブを買収した後に利益が少ないとみるや、フランチャイズを他所に移して地元民の強烈な怒りを買った人物や、ハゲタカファンドの頭領などもいる。彼らにとって、すべての基準はカネなのだ。

 だがフットボールを観る人々は、視線の先に別のものを求めている。

 チームとの密接なつながり、感情の爆発や揺らぎ、弱者が強者に挑んで時に打ち負かす姿──。このスポーツはアップセットが起こりやすく、それが大きな魅力のひとつにもなっているのだ。

 もしスーパーリーグが実現してしまえば、今季のプレミアリーグで現在、3位のレスター・シティや4位のウェストハム・ユナイテッドが来季のチャンピオンズリーグで、格上の強豪に立ち向かう姿が見られなくなる。それはあまりにも寂しい未来ではないか。

フットボールは、誰のものか──。以前から折々に問われるこのクエスチョンが、かつてないほど切実に響く。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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