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不安露呈プレミア6強が低調 最強の伏兵レスターが優勝しても“おとぎ話再現”ではない理由
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/11/25 06:00
いまだ決定力十分のバーディー。ロジャース監督率いるレスターは前回優勝時のような“超アウトサイダー”ではないのは確かだ
ユナイテッドは相変わらずブルーノ・フェルナンデスに、トッテナムはハリー・ケインとソン・フンミンの2人に依存している。チェルシーは前線と中盤の人材が余剰気味で、アーセナルは攻撃のバリエーションが乏しく窮屈になった。
マンチェスター・シティはひとつのサイクルが終わり、リバプールは2位につけているものの、大黒柱ファンダイクを失った(右膝十字靭帯損傷。今シーズン中の復帰は絶望的)ダメージは大きすぎる。
リバプール独走、マンCとの2強対決にあらず
リバプール独走、あるいはシティとのマッチレース……。世界中のメディアとファンが予想した展開にはなりそうもない。
ビッグ6の低調により、今シーズンのプレミアリーグは史上稀にみる混戦となる公算が大きくなってきた。監督が明確な方向性を示さずにいるユナイテッドとチェルシーは4位以内、いやいや、トップ10を外すリスクも小さくない。
1992-93シーズンの発足以降、プレミアリーグ優勝にその名を刻んできたのは、わずか7チームである。ユナイテッド、ブラックバーン・ローバーズ、アーセナル、チェルシー、シティ、レスター、そしてリバプールだ。
群雄割拠ではあるものの、基本的には自他ともに強豪と認めるチームがテッペンに立つケースが非常に多い。
しかし、くどいようだが今シーズンは強豪がそろって小さからぬ不安を抱えているため、伏兵がタイトルをさらっても不思議ではない状況だ。
5年前も似たようなことがあった。