「佐野の成功ですよね」

「佐野の成功ですよね、DeNAの場合は。それがあったから、小深田に行けた。前例があると行けるんですよ、ドラフトって。西武の渡部（健人）1位もそう。おかわり君（中村剛也）と山川（穂高）がいたからですよ」

　今季、横浜の4番にどっしりと君臨、首位打者目前の若き主砲・佐野恵太。2016年に指名された時は、それこそ驚きの「9位」。

2016年のドラフトでは9位指名だったDeNA佐野恵太。今回の小深田4位指名のウラには「佐野の成功」があると他球団スカウトは語る　©BUNGEISHUNJU

　しかし、当時の明治大チームメイトたちは、

「あれだけのバッティングと実戦に強い勝負度胸を持った恵太が9位なんて、プロはどこ見てるんだ！」

　と、逆に驚いたという。

「佐野をあそこまで育てて、外野で使いきって、DeNAには、小深田みたいな選手を育てて使えるノウハウと自信があるんです。だから、『将来の4番』だと思えば、“支配下4位”という枠も惜しくない。ちょっとうらやましい話でもあるんですよ」

　チーム事情の「今」が透けて見える。良くも悪くも、チーム事情がいつの間にか丸裸にされてしまっているのもまた、「ドラフト」の意外な味わいなのかもしれない。

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