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WBCの日本戦…なぜ東京開催試合が減った? WBCテレビ放送が消えた“本当の意味”「日本から米国へパワーバランスが完全に逆転」激変するスポーツ放送の今
posted2025/12/18 17:02
地上波放送が消える来春のWBC。Netflixの進出はMLBにとっても渡りに船だった
text by

水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Naoya Sanuki
Netflix配信でMLBも“助かる”
Netflixは近年、他の配信プラットフォームと同様に積極的にスポーツ中継に進出している。米プロレス団体WWEの世界配信権、NFLやボクシングの注目カードの配信権を次々と獲得し、2027、2031年に開催される女子サッカーW杯の米国、カナダでの配信権も得ている。野球に関してはWBCの日本独占配信だけでなく、MLBの開幕戦や、オールスター前日に開催するホームランダービー、特別開催の試合の中継を行うことが決まっている。
MLBにとっても、Netflixの進出は渡りに船だった。
米国における野球の試合中継に関しては今、明るい話題ばかりではない。ツインズやダイヤモンドバックスなど小規模市場のチームはローカルテレビ局との中継契約が得られなくなり、MLBがこうしたチームの試合中継を担い、独自で配信するというケースが増えている。全米中継の大型放映権契約に関しても今年、ESPNが来季から3年間残っていた契約を破棄するという事態が起こり、中継体制の再編を強いられた。これによりMLBは、NBCユニバーサルやNetflixなどと新たに3年契約を結び、ESPNとも新たに規模を縮小した3年間の契約を結びなおしている。3年という短い期間にしたのは、配信サービスの台頭などで現在、スポーツ中継の業界が過渡期にきており、今後どのような方向に流れていくかを見極めてから長期の体制を決めたいという考えがあるからだ。
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ところでNetflixは、WBCの日本独占配信の話を、具体的にいつから始めたのだろうか。コウタ氏はこう話す。

