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原辰徳監督の背番号シャッフルは、
実は大きな「勝負手」だった!?
posted2018/12/21 12:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
巨人の背番号シャッフルが続いている。
3度目の就任となった巨人・原辰徳監督が、全権監督としてこのオフの積極補強とともに大胆に行っているのが、背番号の入れ替えだ。
フリーエージェントで獲得した丸佳浩外野手には、かつて原監督自身が背負い、空き番号となっていた「8」を用意した。
その一方で、もう1人のFA加入の炭谷銀仁朗捕手には宇佐見真吾捕手のつけていた「27」を。またオリックスから加入した中島宏之内野手にはアレックス・ゲレーロ外野手がつけていた「5」を与えた。それに伴って宇佐見は「32」、ゲレーロは「44」へと背番号が変わることになった。
さらに最大の目玉だったのはエースの菅野智之投手が「19」から、巨人の右のエースナンバーである「18」へと変わったことだろう。
菅野の18番と上原の19番。
この変更にはもちろん杉内俊哉投手の引退で「18」が空き番になったタイミングの問題があった。ただ入団以来背負ってきた「19」へのこだわりを見せていた菅野に、あえて背番号の変更を求めた裏には「18」には藤田元司、堀内恒夫元監督に桑田真澄さんらがつけてきた右のエースナンバーという伝統がある。そういうレジェンド選手と肩を並べる大黒柱だ、という原監督のメッセージが、今回の背番号変更には込められている訳だ。
しかも菅野が「18」を背負うことで、もう1つ、メッセージ性のある背番号の変更ができる。
それは今季から巨人に戻った上原浩治投手が「11」から、メジャー移籍前に背負っていた「19」へと復活できるということだ。もちろんそういう副次的な効果も狙ったものだった。