プロ野球亭日乗BACK NUMBER
原辰徳監督の背番号シャッフルは、
実は大きな「勝負手」だった!?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2018/12/21 12:30
12月19日、笑顔の巨人入団会見で原監督とグータッチを決める岩隈(右)。新背番号は、吉川がつけていた21に。
勝てる試合をきちっと勝ち切る。
150キロ前後のストレートに落差の大きなカーブは、むしろ短いイニングで威力を発揮するタイプかもしれない。
左打者の被打率が高い巨人のリリーフ左腕の中で、吉川は右打者の被打率が2割5分5厘に対して左打者には2割3分6厘という数字を残している。巨人では数少ない「左を苦にしないサウスポー」なのも、「相手打線の1番強いところで」投入するのにうってつけかもしれない。
チームは新たなクローザー候補としてシアトル・マリナーズからFAとなった右腕、ライアン・クック投手の調査を進めている。
山口の後継者としてセットアッパー左腕に吉川が決まり、そこにマシソンなのか、澤村なのか、はたまた他の投手なのか、何れにしてももう1人の投手が加わることで、7回から逃げ切るための方程式は整うことになる。
勝てる試合をきちっと勝ち切る。
接戦を確実にモノにする。
それが来季の明暗を分けるという認識は、もちろん原監督を含めた首脳陣の中で共有されているということだ。
そのために――大型補強の陰でほとんど目立たなかったが、吉川の背番号「47」への変更があった。決して派手ではないが、それは今オフに打った原監督の大きな勝負手の1つだった。