フットボール“新語録”BACK NUMBER
W杯まで8カ月の選手ミーティング。
日本代表の“攻撃の形”はどうなる?
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byItaru Chiba
posted2013/10/31 10:30
0-1で敗れたベラルーシ戦後、うなだれながらサポーターたちに挨拶をする日本代表。GKの川島永嗣は「応援してくれた人たちに申し訳ない気持ちでいっぱい」と語った。
「日本代表はドルトムントから学ぶべき点が非常に多い」
アリゴ・サッキ(元ACミラン監督)
みんなが本気で勝ちたいと考えているからこそ、それぞれの思いをぶつける場が設けられたのだろう。
日本代表の選手たちはセルビア戦に0-2で敗れたことを受け、ベラルーシに移動後に選手ミーティングを開いた。これからW杯に向けて、日本はどんなサッカーをしていくべきなのか。選手たちの発言を見ると、かなり踏み込んだ議論が行なわれたようだ。
たとえば内田篤人は、『スポーツ報知』(10月23日付)のインタビューでこう語った。
「これまで選手ミーティングで発言したことはなかった。問題点は日々の練習でも話し合えるから、何かあればその場で解決する。ミーティングで言うより、普段から言って、解決すればいいと思う。選手ミーティングなんて、ない方がいいに決まっていますから。でも、この間、初めて発言しました。サイドバックの動き方についてですけどね」
長谷部が感じる責任感と「分岐点」。
今回は議論の着地点を見出すほどの時間はなく、それぞれ異なる狙いを持ったままキックオフの笛がなってしまったのだろう。日本はベラルーシ相手に攻め込みながらも、わずかなチャンスを決められて0-1で敗れてしまった。
キャプテンの長谷部誠は『AERA』(10月28日号)の連載で、試合までにチームをまとめ切れなかった悔しさを綴った。
「いざ試合に入るとベラルーシの組織的でアグレッシブな守備をなかなかこじ開けることができませんでした。選手間で意識のズレがあったことも確かです。日本代表にもなれば各選手が独自のサッカー観を持っています。ただサッカーはチームスポーツであり、チームのコンセプトを選手全員で共有することは本当に重要です。そういう意味でチームの中で意識のズレがあったことは非常に残念ですし、僕はキャプテンとして責任を感じています。いまサッカー日本代表は自分たちの進むべき道の分岐点に立っているのかもしれません」