プロ野球PRESSBACK NUMBER
「小林繁さんはモテますよ。本当に卑怯だなと(笑)」女房役・若菜嘉晴が見た阪神“小林フィーバー”の日々「仲間も小林に勝たせたい、と奮起して」
text by

元永知宏Tomohiro Motonaga
photograph byBungeishunju
posted2026/08/17 11:01
79年、阪神に移籍した小林は実力はもちろん、スタイリッシュな佇まいでも人気を集めたという
江本さんと小林さんはモテる。本当に卑怯です(笑)
その年、小林は37試合に登板し、273回3分の2を投げた。現在では考えられない投球回数だ。しかし、当時のプロ野球選手はよく働き、よく遊んだ。小林も例外ではなかった。
「阪神に移籍して200イニング以上を3年間も続けましたよね。今のプロ野球で考えれば異常とも言える投球回数です。グラウンドの外で節制しているかというと、そんなことはありません。体自体が強かったんでしょうね。
私生活でも自分をきれいに見せたい人で、ものすごくさびしがりやでしたね。試合が終わったあとには、江本さんと小林さんの3人で、よく銀座や六本木に行きました。ふたりとも歌がうまいじゃないですか。お店の女性をそばに座らせて、ギターを持って歌うわけです。それはモテますよ。本当に卑怯だなと思いました(笑)。3人で飲みにいっても、僕だけカウンターにいる」
ADVERTISEMENT
ただ、どんちゃん騒ぎをするようなことはなかった。
「お酒自体はそんなに強くなかったし、すぐに酔うタイプでした」
自らも大きく成長した若菜
身長188センチの江本、185センチの若菜と比べれば、178センチ65キロの小林は小柄でかつ細身だった。
「でも、体のバネはすごかった。特に背筋力と足の筋力が飛び抜けていましたね。あの変則的なフォームで300イニング近く投げるわけでしょう。身体能力は本当にすごかったですね」
若菜は112試合に出場し、打率.303をマーク。17個のパスボールを記録しながら、守備に優れた選手に贈られるダイヤモンドグラブ賞を受賞している。
小林に寄り添った1年間で若菜も成長することができたのだ。
〈つづく〉


