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「お前ら野球できんようにさすぞ」乱闘で怒声、3000安打の天才…張本勲とは何者だったのか? 愛甲猛が目撃した“意外な素顔”「朝食後ホテルの部屋で…」
posted2026/10/03 11:01
1981年に現役を引退した張本勲
text by

岡野誠Makoto Okano
photograph by
KYODO
「張本さんは、僕にいろんな意味でプロ野球を勘違いさせてくれた人です」
愛甲猛には、生涯忘れられない光景がある。新人時代の1981年、川崎球場での開幕3戦目。一軍に帯同していた高卒サウスポーはベンチで戦況を見つめていた。
「お前ら野球できんようにさすぞ」
2回、先発の奥江英幸が西武の黄金ルーキー・石毛宏典の左手首にぶつけてしまう。捕手の土肥健二がバットに当たったとアピールすると、根本陸夫監督や西武ナインがベンチから飛び出す。ロッテナインも一斉に駆け寄り、いきなり乱闘が始まった。
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輪の中では、西武の田淵幸一、大田卓司、山崎裕之、ロッテの有藤道世、江島巧という血気盛んなベテランたちの「コラーッ!」という怒声が飛び交っていた。
「事前に『ピッチャーは乱闘になっても絶対、輪の中に入るな』と通達されていました。だから、僕は外側から見守っていたんです」
サングラスを掛けた不惑の張本も遠巻きから乱闘を監視していたが、なかなか収まらない。見兼ねた男は輪の中に歩みを進め、凄みを利かせた。
「コラッ! ブチ! お前ら野球できんようにさすぞ」
田淵や山崎は「張さん、謝るんでもう勘弁してください」と平身低頭になり、乱闘は終結した。
「任侠映画みたいでしたね。どちらかというと、ぶつけたロッテが悪いのに、最後は西武が謝っていた(笑)」
「コイツが有名なバカだ」愛甲猛の驚き
西武球場での一言も、愛甲の脳裏に焼き付いている。試合前、張本と愛甲がベンチ前でウォーミングアップをしていると、田淵幸一がティー打撃をするため、バックネット付近にやって来た。張本を見つけた背番号22は「張さん、おはようございまーす」と挨拶した。張本は愛甲を手招きし、こう紹介した。
「コイツが有名なバカだ」
愛甲は、身も心も固まった。

