テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「妻からイジられたけど」大谷翔平が自ら“真美子夫人の話”を切り出すとは…WS観戦、花巻東の同期に送られた「犬の絵柄のLINEスタンプ」
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byJIJI PRESS
posted2025/11/23 06:01
ワールドシリーズ第3戦前の会見。笑顔の大谷翔平は自ら「妻」という言葉を使った
同時に家族の話題の質問以外で、大谷の口から「妻」という言葉が出たのは初めてだったので驚いた。
会見は各記者の連係プレーで話題を深掘りすることも大事だ。日本メディアの質問の順番になると後輩記者が「家族も増えてご自宅に帰った時の楽しみは?」と質問し、そこで「家に帰ったらリラックスしている。家庭ではトロントで言われたようなチャントは言われないように努めたい」と大谷は自らおどけて、一番の爆笑をかっさらった。
最終質問者となった私は「打席の中でチャントは聞こえていた?」と聞いた。ロバーツ監督は“打席の中では聞こえていない説”を主張していたが、大谷は「もちろん聞こえてはいる。MVP(チャント)の時もそう。集中はしているので特にそれが気になるなとかはない」と言った。結果的に今季一番盛り上がった大谷の会見となった。
花巻東の同期に送った「犬の絵柄LINEスタンプ」
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翌27日。1勝1敗で迎えた第3戦が始まる前に、大谷を追い続ける取材者として懐かしい顔に再会した。大谷と花巻東(岩手)野球部同期で当時三塁コーチャーだった皆川清司さんだ。左翼後方のスタンドから登板前日の大谷のキャッチボールに熱視線を送っていた。
「久々に姿を見たけど、周りの注目度が凄くて、僕も見入ってしまった。ひときわ大きく、輝いて見えた」と笑みを浮かべていた。
大谷はプロ入り後も皆川さんと食事をする仲。皆川さんが今回のWS第3~5戦を現地観戦することを伝えるLINEを送ると「犬の絵柄のOKというスタンプが返ってきた。翔平はいつもそんな感じ」という。昨季に続くドジャース戦観戦で、実は右肘じん帯損傷が判明したエンゼルス時代の2023年8月23日のレッズ戦も観戦していた。「2回途中で緊急降板して、いつまでプレーしている姿を見られるか分からないなと思ったので、年に1回は生で見たいと思った」と語った。
皆川さんは花巻東卒業後は国士舘大で準硬式野球を続け、現在は都内で金融関係の仕事に就く。
「同級生として長くプレーしてもらって、僕らを楽しませてくれたらうれしい。ぜひWSを連覇してほしい」
遠く離れていても、同じ釜の飯を食った同期は固い絆で結ばれているのだった。
第3戦の死闘…大谷は大暴れを見せた
友の思いを感じとったか、この日の大谷は大暴れを見せる。そして試合もWS史に残る、壮絶な死闘となった。〈つづきは下の【関連記事】へ〉

