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「ヤマに“負けるという選択肢はない”」ロバーツ監督もカーショウもフリーマンもドジャースOBも山本由伸に感嘆「この上なく特別」LA紙が聞いた話
posted2025/12/24 06:03
ワールドシリーズで圧巻の投球を見せた山本由伸がベンチに戻ると、大谷翔平らチームメイトは特大のリスペクトで迎え入れた
text by

ジャック・ハリスJack Harris
photograph by
ROBERT GAUTHIER/Los Angeles Times
書籍「DODGERS’ JOURNEY(ドジャース・ジャーニー) 大谷翔平・山本由伸 みんなでつかんだ世界一」(サンマーク出版)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
スネルとブルペンが打ち込まれた翌日に
このワールドシリーズの第1戦では、ブルージェイズがドジャース投手陣を11点の猛攻で打ち崩した。先発のブレイク・スネルは15アウトしか取れずに降板し、ついに崩壊したブルペンも徹底的に打ち込まれた。そして迎えた第2戦、ブルージェイズはこのシリーズの主導権を完全に握る機会を手にしていた。
大歓声が渦巻くロジャース・センターでは、序盤に山本が追い詰められる場面があった。
ブルージェイズは初回、無死一、三塁のチャンスを活かせなかったものの、サイ・ヤング賞候補の山本に23球を投げさせる。2回には(フレディ・フリーマンが目測を誤って内野フライを取り損ね)再び先頭打者が出塁。3回も(山本がジョージ・スプリンガーに死球を与えて)先頭打者が出た。そしてブルージェイズは、アレハンドロ・カークの犠牲フライで1点差を追いつく。
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だが、このアウトを境に山本はリズムをつかみ始める。
それ以降は1人の走者も許さなかった。
スミスも投手コーチも由伸も得ていた手応え
山本は、ブルージェイズ打線がストレートを狙っていると察知。そこで、代わりにスプリットやカーブを多めに投じ、カットボール、スライダー、シンカーも織り交ぜた。
すべての球種について、試合後に山本が語ったように「ストライクゾーンにどんどん投げていった」。
このゲームプランが見事にはまり、打ち損じや早いカウントでのアウトが続いた。山本はその後7回裏までの4イニングで、奪った三振こそ1つだけだったが、すべての打者を5球以内で打ち取った。
