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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「軸はエンドウ、クボ、ミトマなのだから」米国戦を辛口採点・日本通ブラジル人記者のW杯メンバー予想「秘密兵器は20歳FWコンビだ」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/09/13 11:15
W杯アジア予選メンバーがべースとなるとみられる中で、本大会へ日本代表サプライズ招集される選手は現れるだろうか
「佐野は最初の失点に絡み、攻撃面でも効果的な働きができなかった。5.5点。藤田譲瑠チマは僕がすごく期待している選手なんだけど、最終ラインの間に入ることが多く、彼本来の良さを出せなかった。5.5点。途中出場の鎌田は、相変わらず質の高いパスを供給した。6.0点。つづいてウイングバックだと、右の望月は、前半、攻撃面では非常に良かった。守備面で苦しんだけれど、6.5点を付けたい。左の前田大然は、この試合でも攻守両面で彼の良さを出せなかった。5.5点」
モリヤス監督、今回は残念ながら5.0点だ
――1トップ2シャドーは?
「伊東は前半の決定機を決めたかったが、良いプレーもあった。6.0点。鈴木は、広く動いてパスを受けるなどまずまず。6.0点。後半に入った三笘は、この試合でも精彩を欠いた。メキシコ戦もそうだったけど、彼の持ち味である縦への突破がなかった。5.5点。南野拓実は、消極的なプレーに終始した。5.5点。
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FWの小川航基は、やはり上田綺世と比べるとポストプレーの質が物足りない。後半、ミドルシュートをポストに当てたが、アピールしたのはそれくらい。5.5点。途中出場の町野修斗はヘディングシュートを放ったが、ゴールの枠へ飛ばすことはできなかった。5.5点」
――森保監督は?
「コンディション面の問題もあったかもしれないけど――第1回で触れた通り、チームの軸となる遠藤航、久保建英、三笘薫、鎌田大地を先発から外すなどメンバー選択に失敗し、後半にフォーメーションを変えてさらに状況を悪くした。カタールW杯だけでなく、今回のW杯アジア予選で交代策が機能していたことなどを踏まえれば、残念ながら5.0点だ」
――日本は来月10日に大阪でパラグアイと、14日に東京でブラジルと強化試合を行ないます。
「パラグアイは、2010年W杯のラウンド16で日本を延長PK戦の末に下してベスト8に食い込んで以降、3大会連続で南米予選で敗退していたが、来年のW杯に16年ぶりに出場する。ブラジルは、近年低迷が続いていたが、今年5月末に名将カルロ・アンチェロッティが監督に就任してから息を吹き返しつつある。日本は対戦成績が2分11敗だけど、ベストメンバーを組んで初勝利を目指してほしい」
ケガ人が戦線復帰できたとして…W杯メンバーは?
――最後に、現状のケガ人がW杯本番までに全て戦線復帰できたと仮定して、日本代表のレギュラーと控えを選んでください。
「どのポジションも、基本的にはアジア予選を戦ってきたこれまでのメンバーがベースになる。GKは鈴木彩艶で、2番手が大迫。3番手を谷晃生、早川友基、小久保玲央ブライアンが争う。長い間、日本にとってGKは弱点だったが、近年、急速にレベルが向上している。ザイオンは安心して見ていられるし、アメリカ戦の大迫は素晴らしかった。日本のGK育成が成功しているからだね」
――NHK総合のメキシコ戦中継で、解説の林陵平は「鈴木彩艶が与えてくれる安心感は、実家のご飯です」と言っていました(笑)。続いてフィールドプレーヤーです。
「フォーメーションを3-4-3とすると、最終ラインは板倉滉、冨安健洋、伊藤洋輝で、控えを争うのが町田浩樹、高井幸大、渡辺剛ら。ボランチは遠藤が軸で、もう1人が守田英正か田中碧か鎌田。ウイングバックは、右が堂安律と伊東、左は三笘が軸で控えが前田、中村敬斗。2シャドーはは右の久保を軸として、左が鎌田か南野で、控えに鈴木。CFは上田で、当面の控えは町野と小川。今後、ベルギーで活躍している長身の後藤啓介、オランダで小川のチームメートである塩貝健人という20歳の2人が成長すれば秘密兵器として、メンバー入りがあり得るかもしれない。さっきも触れた通り、長友は経験を伝える役目としてのメンバー入りかな」
2011年以降、サムライブルーの全試合を克明に観察しており、年代別代表やJリーグの試合も追っているチアゴ記者が、日本のフットボールへの深い愛情を心に秘めつつ、忌憚のない意見を聞かせてくれた。〈第1回からつづく〉

