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「なぜ建設的な批判をしない?」日本代表アメリカ戦完敗と“OB解説”をブラジル人記者が斬る「170cmナガトモのCBはさすがに無理」

posted2025/09/13 11:11

 
「なぜ建設的な批判をしない?」日本代表アメリカ戦完敗と“OB解説”をブラジル人記者が斬る「170cmナガトモのCBはさすがに無理」<Number Web> photograph by Icon Sportswire/Getty Images

0-2で敗れたアメリカ戦。日本で配信を見たブラジル人記者が語るホンネとは

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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2026年W杯を見据えたアメリカ遠征を1分け1敗で終えたサッカー日本代表。日本通で知られ、来日中のチアゴ・ボンテンポ記者が本音で斬る。〈全2回/第2回につづく〉

「2018年に森保一監督が日本代表監督に就任してから、おそらくは最悪の試合。先発メンバーの選択、試合中のシステム変更に伴う選手の配置などに関しても、首を傾げた点が多かった」

「この試合に先発した選手の多くは控えの座を争っているわけだが、彼らのプレー内容もさることながら、伊東純也、三笘薫ら主力がメキシコ戦に続いて精彩を欠いたのがより深刻だと思う。来月、日本で対戦するパラグアイとブラジルはもっとレベルが高い。サムライブルーの奮起を促したい」

 普段は温厚なチアゴ・ボンテンポ記者が、珍しく厳しい口調で語った。

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 日本時間10日にアメリカのオハイオ州コロンバスで行なわれたアメリカ対日本の強化試合について、日本の解説スタイルなども含めて試合後、じっくり感想を聞いた。

ほとんど批判しないことに驚いた

――アメリカ戦はU-NEXTで見たそうですね。

「そうだね。メキシコ戦でもそうだったけど、解説についてブラジルとの違いを感じた。まずそれについて少し話したい」

――この試合、U-NEXTの解説は日本代表OBの柿谷曜一朗と稲本潤一でしたが、どう感じたんですか。

「日本の出来が非常に悪く、選手もミスが多かったのに、なぜほとんど批判をしないんだろうと驚いた。ブラジルの解説者なら、たとえスター選手であろうとミスをすれば厳しく批判するからね」

――前半35分、日本の決定機で柿谷は鈴木唯人のインターセプトを「素晴らしいセンス」と褒めていました。

「あのコメントにも少し驚いた。鈴木が良いポジションを取ってパスをカットしたのは確かだけど、ブラジルなら『CBのパスミス』と片づけるであろうプレーだったからね」

すでにファンは良し悪しを判断しているのだから

――日本のテレビ中継では、日本のチームと選手を褒めることが多く、批判することは少ないです。

「これは日本の文化なのかな。他のスポーツでも選手への批判はほとんどないの?」

――いや、そうとも限りません。たとえば、フットボールよりプロの歴史が長い野球の場合、解説者が「ピッチャーの失投でした」、「バッターが打ち損じた」などとコメントすることは珍しくない。

「なるほど、そうなんだ。メキシコ戦はNHK総合の中継を見たんだけど、解説の林陵平は戦術を細かく分析する反面、柿谷や稲本と同様、チームや選手の課題を明確に指摘することは少なかったかな」

――これに対して、ブラジルではクラブの試合でも解説者が厳しいコメントをすることがあるが、代表戦ではさらに手厳しい。選手は国を背負ってプレーしており、彼らの責任は非常に重いですから。

【次ページ】 170cmのナガトモがCB…さすがに無理では

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