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大谷翔平と山本由伸、田中将大の“意外と知らない”二軍成績「由伸は2年連続で防御率0点台」「マー君は常に一軍…ファーム初登板はいつ?」
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byMike Lawrence/Getty Images
posted2025/05/18 11:02
山本由伸と大谷翔平。ドジャースでゆるぎない主力となっている2人の“意外と知らないNPB二軍時代”の成績は?
2024年ドジャースに移籍して大谷の同僚になった山本由伸は、2017年に都城高からドラフト4位でオリックス入り。全くの無名だったが、当時を知るアナリストは「入団時からすべてのボールが一級品だった」と言う。その言葉通り、二軍での防御率は2年連続零点台と抜群の成績を挙げた。
2018年までは一軍では救援投手だったが2019年に先発に転向。2021年から3年連続沢村賞、MVP。チーム3連覇の立役者となった。2019年以降は2試合調整登板があっただけだ。
田中将大は1年目からずっと一軍…二軍初登板はいつ?
もうひとり、田中将大の二軍成績である。
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2012年 1登板0勝0敗0S
4回6奪三振 防御率0.00
2024年 5登板0勝2敗0S
23回19奪三振 防御率3.91
計2年 6登板0勝2敗0S
27回25奪三振 防御率3.33
早稲田実業の斎藤佑樹(早稲田大-日本ハム)と共に甲子園を沸かせた田中将大は、2006年駒大苫小牧高からドラフト1位で楽天に入団。1年目から一度もファームを経験することなく、パ・リーグのエースに駆け上がった。2012年4月に腰痛で登録抹消され、初めて二軍のマウンドを踏んだが、田中のファーム成績はこの1試合だけだった。
しかしヤンキースを経て2021年に楽天に復帰後、23年オフに右肘関節鏡視下クリーニング術を受ける。このため24年は二軍スタートとなり、5試合を投げている。成績も今一つ。一軍では1試合のみの登板(1敗)だったが、プロ入りからほとんど縁がなかった二軍のマウンドに上がり続けることで、35歳になった田中は自身の衰えを実感したのではないか。25年は巨人で再起を期すが、何試合かは二軍のマウンドに上がることがあるかもしれない(※編集注:開幕後、すでにイースタン・リーグで登板)。
◇ ◇ ◇
日米球界でキャリアを積む3人だけでなく、金田正一や野村克也、王貞治に落合博満といったレジェンドの二軍成績からも、興味深いものが見えてくる。〈つづく〉

