革命前夜~1994年の近鉄バファローズBACK NUMBER
「この話で喜ぶ人はいない」が…野茂英雄メジャー挑戦30周年の今だから“真相”を関係者に訊く!「1994年の近鉄」野茂ラストイヤーに何が起きていたか
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喜瀬雅則Masanori Kise
photograph byKoji Asakura
posted2025/05/02 11:03
結果的に野茂英雄のラストイヤーとなった「1994年の近鉄バファローズ」に何が起きていたのか…メジャー挑戦30周年に番記者が改めて迫る
元エースからの忠告
「すごくナーバスな話だからね。ある意味、検証記事なんだから、これで喜ぶ人っていないと思うよ。野茂だって喜ぶはずもないし、俺だって話していて嬉しいわけじゃない。鈴木監督だって、イヤな思いしかしないだろうしね。だから、最後の落としどころだけ間違えないでくれよな」
この“元エースからの忠告”は、取材を重ねていく中で、その意味合いの深さをより理解できたというのが、私の今回の取材を通しての、大きな気付きの一つである。
「こういうことがあったけど、メジャーという歴史を紐解けば、今の大谷フィーバー、いや、イチローとかの方が影響はよりあったのかもね。間違いなく言えることは、こういう時代はいつか来ていたんだよ。江戸時代に鎖国がどこで終わるか、という話と一緒だよ」
野茂は時代の突破口だった
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早かれ遅かれ、こうやって、日本人がメジャーへ挑戦するというこの流れは、時代の趨勢でもあった。それが、野茂の“決断”によって、せき止められていた水が一気に流れ出した。
「それが突破口としては、ああいう形だったんだ、ということだよ」
歴史の壁が崩れる、その“前触れ”となる1994年。近鉄バファローズで、そして、野茂の周辺で何が起こり、変わろうとしていたのか。
その幕開けの象徴として、4月9日の開幕戦へと、話を移していきたい。
〈つづく〉
#25
「野茂英雄が行っていなかったら、道がないですよ」1994年の近鉄バファローズが生んだものとは…藤井寺の「夢の跡」に“彼らの息づかい”は今も
#24
野茂英雄は日本球界に何を残したか「日本人でも、武器があればメジャーで」…佐々木誠・長谷川滋利そしてイチローが「やれないことはない、と」
#23
「やっぱりあのフォークはメジャーでも通用するんだ」野茂英雄を最も打った左打者・藤井康雄も「“浮き上がる”フォークはお手上げでした」
#22
「野茂英雄はサイドスローなんです」メジャーに最も近かった男・佐々木誠が語る“新たな野茂観”と“特異性”「球種を見破っても打てなかった」
#21
「野茂のフォークは邪魔やったよね」当時MLB最強投手を打ち砕いた“メジャーに最も近かった男”佐々木誠が見た「近鉄の野茂英雄」の凄さとは?
#20
「『石井さんには実力がない』だと!?」衝撃の年俸6割カット提示で石井浩郎まで…野茂英雄ら主力が軒並み去った「1994年の近鉄」とは何だったのか
#19
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#18
「態度悪いですよね。でも…」“胴上げに背を向けた男”吉井理人の感情の激しさを鈴木啓示は認めなかった「監督と選手の心の絆が薄れていた」
#17
「鈴木啓示監督を嫌いとかではなかった」吉井理人が“ボール蹴飛ばし事件”で近鉄から電撃トレードされた深層「あれで、気持ちが切れました」
#16
鈴木啓示と野茂英雄はなぜ反目したか…「お互い年取ったな」心の広い男・鈴木監督を一方的に断罪したくはないが「今は取材はしんどいのと違うか」
#15
野茂英雄のメジャー初勝利を「抱き合って喜んだ」…野茂が去り“最下位転落”した近鉄同僚の思い「また野球をできてよかった」「すごいヤツだよな」
#14
「野茂は野球ができなくなるんじゃないか」近鉄同僚が見た野茂英雄と球団の“決裂”と“MLB移籍”「どうやって行くんだ?」「絶対無理や」
#13
野茂英雄が「俺、アメリカ行けるから」30年ごしの証言で“決定的文書”の存在が明らかに…野茂と団野村が突いた“盲点”「任意引退」のウラ側
#12
「お前、全然アテにされてないぞ」1994年近鉄主力と首脳陣の間の“微妙な風”と“真逆の野球観”…「野茂英雄はずっと怒っていました」
#11
野茂英雄に「このまま死んだら思いを伝えられない。ただ、ひたすら頭を下げたいんです」最大の盟友・佐野重樹の悔恨と「1994年の野茂の決断」の真相
#10
1994年「野茂英雄の191球」と2016年「藤浪晋太郎の161球」は“さらし投げ”だったのか? そして起こった右肩の不調から野茂“日本最終登板”まで
#9
野茂英雄「191球16四球で完投」事件はなぜ起きた? 鈴木啓示監督の“罰投”説にチームメイトが明かす“エースの気概”「野茂は意地でも投げるよ」
#8
「そのことは、改めてお話しします」野茂英雄“2軍落ち直訴”の噂に本人を直撃も…31年後に阿波野秀幸が教えてくれた答え「あれが決定的だった」
#7
野茂英雄が「ものすごい形相で」…同学年・小池秀郎の2軍落ちに「俺も落とせ!」「いや、できない」首脳陣と完全決裂“朝帰り事件”の真相
#6
「何かあったのか、野茂?」「こんなの、考えられません」野茂英雄が激怒! “気遣いできるエース“阿波野秀幸が見た1994年の近鉄「衝撃の事件」
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#4
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#3
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#1
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