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「カブス今永昇太は9位に上昇」センバツ球児が選ぶ“好きなプロ野球選手”ベスト10「なぜ1位は大谷翔平でなく鈴木誠也だったのか?」理由を考察
text by

岡野誠Makoto Okano
photograph byNanae Suzuki
posted2025/03/23 11:01

MLB開幕戦で来日したドジャースの日本人選手たち
今永昇太は上昇…世間にキャラ浸透?
実は、「好きな選手」ベスト15のうち、身長170センチ台前半の選手は173センチの吉田正尚、近藤健介、172センチの今宮健太、171センチの宮城、170センチの森友哉、甲斐拓也と6人もいる。球児は、自分の体格に照らし合わせて選んでいるようだ。
もう1人、由伸の票を奪ったのは、今永昇太だろう。昨年の9票(16位)から14票(9位)になった。 “投げる哲学者”の魅力が徐々に伝わり始め、年々ランクアップしているのかもしれない。オリックス時代の由伸のようにリーグ3連覇で3年連続日本シリーズ進出となれば、メディア露出も増加する。しかし、今永はDeNA在籍中、優勝経験がなく、日本シリーズ進出は1度だけ。彼の場合、WBC出場やメジャー移籍によって取り上げられる回数が増え、広範囲に伝わるようになったと言える。
好きになると、影響される。今永を挙げた球児は「好きな言葉」で四字熟語での回答が目立った(横は意味。goo辞書【三省堂 新明解四字熟語辞典】など参照)。
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〈質実剛健〉中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま
〈臥薪嘗胆〉将来の成功を期して苦労に耐えること
〈竜驤虎視〉竜やとらのように意気が盛んで、権力をもち世の中を威圧すること
〈改過自新〉自分の過ちを改めて、新たに再出発すること
〈刻石流水〉受けた恩は石に刻み、かけた情けは水に流すこと ※仏教経典の『懸情流水 受恩刻石』に由来し、正確には四字熟語ではない
四字熟語のような言葉を用いた割合は14人中5人(35.7%)。鈴木誠也を挙げた球児では、34人中4人(11.8%)だった。彼らは以下の四字熟語を挙げた。
〈我武者羅〉 一つの目的に向かい、血気にはやって向こう見ずになること
〈勇往邁進〉 恐れることなく、自分の目的・目標に向かって、ひたすら前進すること
〈猪突猛進〉 目標に対して、向こう見ずに突き進むこと
〈獅子奮迅〉 獅子が奮い立って、猛進するような激しい勢い
同じ四字熟語でも、誠也を好きな球児は“ひたすら目標に進む”言葉を記した。
最近のセンバツ球児は「好きな選手」を選ぶ時、憧れの名前ではなく、自分の参考にできそうなプレイヤーを挙げる。階段を1段ずつ登ろうとする球児の現実的な思考が垣間見える。
