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15歳の大谷翔平と対戦「体重83kgの“巨漢中学生”だった」ロッテ・澤田圭佑が今も忘れられない「消えたスライダー」「大谷、藤浪、由伸の共通項」
posted2024/10/10 11:38
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
SANKEI SHIMBUN
「50-50」達成のニュースに、日本中が沸いた。今年の野球界は春からドジャース・大谷翔平選手の話題が溢れる一年になっている。地区優勝を果たしポストシーズン進出。テレビをつければいつも大谷の話題が取り上げられている。
中学3年、初対戦の記憶
マリーンズの澤田圭佑投手にとって、その大谷は同じ1994年生まれのスーパースターだ。誰よりも早い時期に、その存在を認知した一人でもある。同年代ということでメディアから大谷に関して聞かれることも多いが、普段は多くの事を語りたがらない。しかし、中学時代の思い出だけは特別な事として教えてくれた。
初めて会った時のことは鮮明に覚えているという。中学3年生の夏。2009年のことだ。7月24日から7月28日の5日間にわたって行われた「全日本リトル野球協会 リトルシニア東北連盟 創立35周年記念全国選抜野球大会」。会場は仙台だった。7月25日、関西連盟「愛媛西チーム」の澤田は東北連盟「一関チーム」と1回戦で対戦した。
蝉の鳴き声も騒がしい夏の暑い日。そこにひときわ背の高い選手がいた。大谷である。今も実家に大事に保管されている当時のパンフレットには身長184cm、体重58kgと表記されている。一方の澤田は身長176cm、体重83kg。小学校6年生時にはすでに身長168cm、体重75kgもあったという。将来が嘱望されていた四国では名の知れた巨漢中学生だった。
忘れられない「消えたスライダー」
二人は共にエースでクリーンアップを任されていた。衝撃を受けたのは澤田が初めて打席に立ち「投手・大谷」と対戦した時だ。澤田が振り返る。
「ストレートはもちろん速かった。ただそれよりもスライダーが凄かった。今でも忘れられないのがインコースのスライダー、普通に消えました。打とうと思ったら軌道から消えた。それはボクにとって初めての経験でした。鮮明に覚えています」