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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「小笠原慎之介(中日)がメジャーで活躍するのは正直厳しい」NHK解説者が“メジャー挑戦”に辛口な意見「ポスティングよりも海外FA権で」「日本で圧倒的成績を…」
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/11/12 11:01
ポスティングによるメジャー挑戦が中日に容認された小笠原慎之介投手(27歳)
「挑戦するのは本人の自由だし、需要があるなら行ったほうがいいね。ただ、活躍するのは厳しいと思う。東海大相模高時代から彼を見ているけど、思ったより成長してないよね。真っ直ぐがよかったけど、意外にプロに入ってからは変化球ピッチャーになっちゃって、スケールが小さくなってしまった。あと、中日がいくら弱いと言っても、なかなか勝ち切らないじゃない。二桁勝利も9年で1回だけだし。やっぱりメジャーで通用するのは、日本で圧倒的に成績を残した選手だと思うよ」
また、阪神の青柳晃洋もポスティングシステムを利用して、メジャー挑戦の意向を示している。青柳はプロ9年で30歳、通算61勝だ。
「マジかって感じだよ。アメリカのボールは滑る。青柳のフォームを考えると滑りまくってコントロールつかないと思うけどな。でも、小笠原と同じく需要があるなら一回挑戦してもいいよね。経験になるから」
「海外FA権で行ったほうがいい」
ただ、武田氏はこうした多くの日本人選手がポスティングシステムでメジャーに挑戦することに対して、「普通なら海外FA権で行ったほうがいい」と自身の考えを述べる(11月9日にはロッテが、佐々木朗希のポスティングシステムによるメジャー挑戦を容認すると表明した)。
そもそも、海外FA権とは一軍出場選手登録期間(年間145日以上)が9シーズンある選手に認められた権利。すべての球団と自由に交渉できる権利を持つ制度だ。一方、ポスティングシステムとは海外FA権を持たない選手が、所属球団の承認を得てメジャー入りを目指す制度。この場合は、移籍先の球団から所属球団への譲渡金が発生する。
「大谷や山本やダルビッシュのように、絶対的なパフォーマンスを残している選手なら、ポスティングでもいいと思う。でも、そうじゃない選手なら海外FAのほうがいい。ポスティングで急いでメジャーに行って苦労する人もいるからね。日本で実力と結果をつけて、海外FAで行ったほうが、通用すると思うし、選手としての市場価値も上がる。でも、野球人はメジャーが夢という人もいるから、若くして行きたいなら止めることはできないね」
奇しくも本稿で紹介した選手はみな投手だった。今季は主に大谷のバッティングに日本が沸いたが、来季は今回紹介した投手陣たちも列島を賑わせてくれるだろう。
<前編《大谷》編から続く>