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「泣き出した大海をみんなでなだめて…」ロッテ・金子誠コーチが語る「忘れられない8年前の涙」プロ野球記録樹立の岡大海“熱い漢”の原点
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2024/07/08 11:03
自身が持つ記録を破った岡(右)の快挙にわざと悔しそうな表情を作る金子コーチ
そのシーズン、ファイターズは15連勝を記録するなど、首位ホークスと一時は最大11.5ゲームまで引き離されながら大逆転優勝を成し遂げた。岡の神がかったような活躍も起爆剤の一つだった。
確立した“岡大海スタイル”
共に歓喜を味わったあの日から8年。岡は移籍7年目のシーズンでプロ野球新記録を達成するなど好調を維持している。金子コーチもまた同じマリーンズのユニホームに袖を通し2年目を迎え、目の前で後輩の新記録を祝福することができた。
今シーズンの岡の好調の要因について金子コーチはこう分析する。
「去年と今年、沢山試合に出るようになって、打席の中での読みがよくなっているように思う。整理整頓して打席に入れているイメージ。彼の場合はスタメンだけではなく途中から出るのも上手。代打だけではなくバックアップで代走や守備から出て、そこから打席が回ってきても結果を出している。肩幅があって腕が長いから、ファイターズ時代はどうしても腕が邪魔になるような感じの窮屈な打撃をしていたこともあった。その中で試行錯誤しながら今、岡大海スタイルを確立している」
「ミラクル」を再び
さらにこんな言葉を贈る。
「オレは二塁打の記録を作った2009年、34歳になる年にキャリアハイの成績を残すことが出来た。岡はまだ32歳。今年素晴らしい一年にして欲しい」
首位ホークスを追いかけるマリーンズ。その図は16年のファイターズとも重なる。あの時、岡が勝負強い打撃でチームの優勝に貢献した。そして今年もまたキャリアハイを狙う活躍を続けている。ミラクル岡と共に、新たなマリーンズの伝説が始まる、そんな予感が漂う。