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「トミは仲間から愛されてるよ」アーセナル名将、英国人記者が「ファーストクラス」と絶賛…冨安健洋25歳の“万能型DFだけでない才能”
posted2024/06/30 17:01
text by
ジョン・ブルーウィンJohn Brewin
photograph by
Clive Rose/Getty Images
アーセナルは2年連続で惜しくもプレミアリーグを2位で終えた。結果的には再びマンチェスター・シティに屈した形だが、昨季と今季のガナーズ(アーセナルの愛称)が採ったアプローチは違った。
同じ“万能型DF獲得”で立場が不安視されたが
2022-23シーズンは攻撃とハイプレスを主眼とし、最後はガス欠を起こして尻すぼみとなっていった。それを教訓としたからか、ミケル・アルテタ監督は次のシーズンに守備面を強化し、王者シティに最後まで食らいついた。両者の勝ち点差は、前季の5から2に縮小。最後の5試合に先発し、そのすべての試合で白星を手にした冨安健洋の貢献も大きかった。
クラブはそんな彼の働きを評価し、シーズン前には不透明だった冨安との契約を、2026年夏まで更新している。昨夏、アーセナルは推定移籍金3850万ポンドで、アヤックスからユリアン・ティンバーを獲得。最終ラインの全域に対応するオランダ人DFは、冨安のポジションを脅かすものと見られていた。なぜなら現在25歳の日本代表DFは前季に二度、負傷離脱していたからだ──11月のチャンピオンズリーグのFCチューリヒ戦で負った打撲と、終盤戦のひざの故障だ。
しかし信頼に値したのは、ノッティンガム・フォレストとの開幕戦で前十字靭帯を損傷し、シーズンをほぼ丸ごと棒に振ったティンバーより、冨安の方だった。
「その能力と逞しさに加え、トミの姿勢とメンタリティ、有用性はファーストクラスだ」
冨安が3月に新たな契約を結んだ際、アルテタ監督はそう話した。
「トミは加入以来、チームに欠かせない存在となっている。仲間から愛されてもいるよ。彼の練習態度や意志、決意は素晴らしい。毎日、自らを最高の状態に高めるために、研鑽を積んでいるのだ」
アルテタ監督「ベストポジションは私にも…」
福岡出身の万能型DFは、リーグ最終節のエバートン戦で右足のシュートを沈めた。その同点ゴール(一昨季と昨季はノーゴールだったが、今季はこれを含めて2得点)は、アーセナルの一縷の望みとなった──結局、シティもウェストハムを下したため、ほんの一時的なものとなってしまったけれども。