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「みなさんがうるさいので」大谷翔平の皮肉…なぜアスリートの結婚会見は“消えた”? 米国スターが怒った日本のマスコミ「記者会見イヤだった」
text by
近藤正高Masataka Kondo
photograph byAFLO
posted2024/03/09 11:01
結婚を公表したドジャース・大谷翔平(29歳)
ただ、島倉の母親が結婚に反対していたため、新婦の家族は欠席している。こうした不協和音もあり、やがて結婚生活は破綻し、結婚4年目の1966年には別居、2年後に正式に離婚している。
余談ながら、現・阪神監督の岡田彰布は少年時代、父親が阪神の有力な後援者で選手たちと交流があり、藤本には村山実と並びとくにかわいがってもらったらしい。藤本が島倉と結婚したときには、彼の家にあったトスバッティングのケージをもらったという(『文藝春秋』2023年6月号)。島倉の歌もカラオケに入っているものはほとんど歌えるとか。
“1億円”結婚パーティー
藤本勝巳が結婚した1963年には、日本のプロレスのパイオニアでテレビ草創期のヒーローだった力道山も日本航空の客室乗務員だった女性と結婚している。6月5日に東京のホテルオークラで行われた披露宴では、媒酌人を自民党副総裁で日本プロレスコミッショナーであった大野伴睦夫妻と、参院議員の井上清一夫妻が務め、3000人もの客が集まり、その総費用は1億円といわれた。
だが、力道山はそれから半年後の12月8日深夜、ナイトクラブで暴力団員と喧嘩になり、ナイフで刺された。すぐに手術を受け、経過は順調かと思われたが、1週間後に容態が急変し、帰らぬ人となる。
いずれの夫婦も不幸な結末を迎えたとはいえ、それでもアスリートが競技から離れた結婚という私生活の面でも話題を提供するようになったという意味で、1963年は一つの画期ともいえる年であった。
<続く>