誰も知らない森保一BACK NUMBER
「ええっ! ハジメくん金髪?」森保一監督の“いきなり金髪伝説”とは「ハジメくん、やんちゃでしたから」中学卒業式、地元で有名なエピソード
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byJFA/AFLO
posted2024/01/26 11:15
森保一監督(55歳)。2期連続で日本代表監督として指揮を執る
「森保は自分の仲間や後輩が馬鹿にされたり、いじめにあったり、試合で削られたりすると、我を忘れて飛び込んで行った。それが日本代表監督としてのリーダーシップにもつながっているんじゃないかな」
樋口もやんちゃな中学時代が、日本代表の指揮に生かされていると感じていた。
「僕が思うには、マジメだけやったらどこかで潰れてしまうのかなって。最初は少しやんちゃだったとしても、人生の早い段階でいろんな失敗をしたら、そのあとに道から外れなくなる。
さらに監督になったときに、やんちゃな選手の気持ちがわかりますよね。やんちゃな経験が監督としての幅を広げていると思います」
日本代表にはいつだって自己主張が強い選手が集まり、ルールに縛られるのを好まない選手もいる。だが森保からしたら、昔の自分を見ているようでかわいいものなのだろう。
カタールW杯最終予選中、結果が出なかったときに選手から不安の声がもれた。それでも森保は何事もなかったかのようにやるべきことを貫いた。その揺るぎなさの原点は、きっと地元のやんちゃな同級生たちと昼夜をともにした中学時代にある。
<《ケンカ未遂》編へ続く>
森保一(もりやす・はじめ)
1968年8月23日、静岡県生まれ。長崎県出身。1987年に長崎日大高を卒業後、マツダサッカークラブ(現・サンフレッチェ広島)に入団する。現役時代は、広島、仙台などで活躍し、代表通算35試合出場。1993年10月にドーハの悲劇を経験。2003年に現役引退後、広島の監督として3度のJ1制覇。2018年ロシアW杯ではコーチを務め、2021年東京五輪では日本を4位に、2022年カタールW杯ではベスト16に導いた