誰も知らない森保一BACK NUMBER
「ええっ! ハジメくん金髪?」森保一監督の“いきなり金髪伝説”とは「ハジメくん、やんちゃでしたから」中学卒業式、地元で有名なエピソード
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byJFA/AFLO
posted2024/01/26 11:15
森保一監督(55歳)。2期連続で日本代表監督として指揮を執る
突然、金髪で現れたのだ!
深堀中学校の1年後輩で、幼いときから兄弟のように遊んできた樋口紀彦はこう証言する。
「僕たち在校生が先に座っとって、卒業生が入って来たら1人だけ金髪の人がいて。『ええっ?!』と驚いていたら、なんとハジメ君だったんです。衝撃でした」
言うまでもなく、深堀中で金髪は校則違反だ。深堀中の卒業アルバムを開くと森保は黒髪・短髪で写っており、その時点でヘアスタイルへの特段のこだわりは感じられない。
ところが、そのオーソドックスな見た目の内面にイタズラ心が秘められていた。樋口によると、森保は卒業式前日にオキシドールを髪にかけたという。オキシドールはふだん消毒や漂白に使われる薬品である。
「同級生に手伝ってもらい、オキシドールで脱色したそうです。朝一番、教室で担任の先生に見つかり、首根っこをつかまれて水道で洗われたそうなんですが、落ちるわけなかですよね。翌日には坊主にさせられていました」
「ハジメ君も悪かったんですよ(笑)」
森保はサッカー部ではキャプテンを務め、長崎日大高校に特待生としての進学が決まっていた。もし大事にされたら、特待が取り消される可能性もあっただろう。
にもかかわらず、なぜ森保は金髪にしたのだろう?
実は中学時代、森保は「ヤンキー」(やんちゃな若者)の要素を持っていたのだ。80年代は全国的に非行や校内暴力があり、『ビー・バップ・ハイスクール』や『スクール・ウォーズ』が流行った頃だ。
樋口は「当時はそういう時代でしたから」と前置きして話し始めた。