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大補強の中日は本当に変わるか?「方向性が見えない」の指摘に“立浪和義の参謀”片岡篤史が語った「昭和の野球をやろうなんて思ってない」
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/01/16 11:01
来季から中日の一軍ヘッドコーチに昇格した片岡篤史(写真は2021年)
「球団が頑張って、補強していただいた」
今オフには前巨人の中島宏之や前ソフトバンクの上林誠知という戦力外通告を受けたふたりを獲得するだけでなく、巨人を退団した中田翔とも契約した。中田はダヤン・ビシエドと一塁を、上林や新外国人でメジャー通算40本塁打のアレックス・ディッカーソンはレフトを守る大島洋平と“競争”することになるだろう。
「球団が頑張って、補強していただいた。軸となる選手、期待できる選手が入ってくれた。昨年、細川(成也)が24本塁打打ってくれましたけど、試合終盤の満塁ホームランや走者一掃の長打が出るケースがほぼなかったじゃないですか。ディッカーソンあたりが、走者を置いた時の飛び道具となってくれたら、1点が2点、3点となり、大量得点につながっていく」
さらに前阪神の山本泰寛には貴重なユーティリティープレイヤーとしての活躍を期待する。
「ある程度、メンバーは固定したいわけですが、負担を減らしてあげないといけない一面もある。どこでも守れるように山本には試合終盤までスタンバイしてもらっていて、状態が悪いスタメンの選手がいたら、ポジションを奪い取るぐらいの覚悟で臨んでもらいたい。そういう役割を期待して獲ったわけですし、全体的にそういう選択肢が増えたと思います」
「一軍のメンバーは大きく変わる」
オフの間も、立浪とは欠かさず連絡を取り合い、春季メンバーの振り分けやシーズンの構想をふたりで練っている様子だ。
「一軍のメンバーは大きく変わると思います。とりわけ二遊間は人数がだいぶ増えましたので、去年まで一軍にいた選手でも、はみ出る可能性がある。もちろん、競争が激しくなるのは外野手も同じですが」
片岡が気に掛けているのは一昨年のドラフトで亜細亜大学からドラフト6位で入団した二塁手の田中幹也だ。ルーキーイヤーの昨年はキャンプから好調を維持し、オープン戦では一時、首位打者に。ところが開幕を前に、一塁への帰塁時に右肩を脱臼し、手術を受けて前半戦を棒に振った。