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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「高校生ゼロ」巨人ドラフトの異変、「指名漏れ」真鍋慧への言葉…ラミレスが本音で語る“指名ビックリ”球団は?「チームをガラッと変えるかも」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/11/09 11:05
西舘勇陽(中央大)の交渉権を引き当てた際の巨人・阿部慎之助監督
ラミレス 180cm、80kgとすでに身体はしっかりしている。身長が190cmになることはないですが、球種は豊富で質もよさそうですね。高卒なので、どう成長していくかは未知数ですが、いろいろと試行錯誤を重ねて育てていくプランがあるんでしょう。
――ソフトバンクは杉内俊哉(現巨人投手チーフコーチ)や和田毅など、あまり大柄ではない左の名投手が多いイメージがあります。
ラミレス 彼らのようなサウスポーを大成させてきた歴史がソフトバンクにはあるので、そういった伝統を意識した部分もあるかもしれません。チェンジアップやスライダーを制球して、うまくかわすピッチングを身につけられるか。高卒なのでいきなり開幕一軍というのは難しいかもしれませんが、チーム状況によってはシーズン中盤や終盤に先発のチャンスがあるかもしれない。最初は5、6イニングを目処に、身体がビルドアップしてきたら7、8回まで投げられるようになるでしょう。
日本ハム1位・細野晴希…「なぜ“外れ外れ1位”?」
――日本ハムは細野晴希投手(東洋大学)の交渉権を手にしました。細野投手は最速158kmのサウスポーで、ドラフト前は競合も噂されるほど評価の高かった選手ですが、結果的に“外れ外れ1位”に落ち着きました。このタイミングでの指名になったのはなぜでしょうか。
ラミレス コントロール、球のバラつきの部分でしょうね。彼のピッチングを見ると、リリースポイントが少し後ろ気味になっている。制球に苦労しているのはおそらくこれが原因じゃないかな……。日本ハムの投手コーチがそこをしっかり修正して前でリリースできるようになれば、かなりの投手になる可能性を秘めています。
――即戦力というよりも“素材型”という印象ですか?
ラミレス 3球団競合した武内と比べると、同じサウスポーでも少し即戦力とは言いにくいかもしれません。二軍で修正して、1年後、2年後に台頭するイメージです。球速は出ていますが、ストレートが「スーッ」という感じでクセがないので、プロのレベルだと対応してくる打者も多いでしょう。特にパ・リーグは速いストレートに強い打者が多いので、彼にとってはセ・リーグのほうが楽だったかもしれません。とはいえ、間違いなくハイポテンシャル。彼の素材を生かすも殺すも、プロでの育成次第です。
オリックス1位・横山聖哉…「坂本より鳥谷タイプ」
――ヤクルトの西舘昂汰投手(専修大)、ロッテの上田希由翔選手(明治大)など、抽選を外した球団も即戦力クラスの大学生を指名するなかで、異彩を放っていたのはオリックスが単独1位指名した高校生の横山聖哉選手(上田西)です。4位までが高校生というオリックスのドラフト戦略も含めて、どのように見ていますか?