ラミレス　オリックスには紅林弘太郎のような若い選手がいますから、1位で指名した横山にしてもその他の選手にしても、すぐに一軍で、とは考えていないでしょう。現実的には、2、3年後に出てきてくれれば……というところだと思います。リーグ3連覇中のオリックスには、レギュラー以外にも一軍で活躍できるレベルの選手が多くいる。だから、先を見た指名ができるんですね。

――横山選手はどういった選手に成長するのが理想と言えるでしょうか。

ラミレス　近年、日本でもっとも成功したショートは巨人の坂本勇人。高校生のショートのドラフト1位というのは、多くの場合は彼を理想としてイメージしている。ただ、坂本は身長がかなり高い（186cm）。181cmの横山もそれだけの素質を秘めていると思いますが、体格的には同じ左打者の鳥谷敬（180cm）のほうが近いかもしれませんね。

オリックスに1位指名された横山聖哉（上田西）　©JIJI PRESS

真鍋慧について「僕がDeNA編成だったら…」

――また、ドラフト指名から漏れた選手なのですが、高校生の強打者・真鍋慧選手（広陵）の評価を伺えますか。189cm、93kgという体格で、“広陵のボンズ”という異名を持つ選手です。ドラフトでは“3位以上”という縛りもあってか、残念ながら指名漏れとなりました。

ラミレス　彼は大学に？

――はい。大阪商業大を受験すると報じられています。

ラミレス　盗塁をするタイプじゃないだろうから、足をもう少し太くしたほうがいいかもしれない。そうすると、もっと打席に安定感が出るでしょう。下半身を意識して強化すれば、もっとパワーもついてくるはず。でも、確実にポテンシャルは高いですよ。

――彼のような“素材型のスラッガー”は、よほど飛び抜けた逸材でないとドラフト上位で指名されにくい印象もあります。

ラミレス　各チームが何を必要としているかによるでしょうね。たとえばもし僕がDeNAの編成をやっていたとしたら、下半身さえ鍛えれば30本くらい打てる能力は間違いなくあるので、彼を指名してそういった育成プログラムを組むこともあり得たかもしれない。でも、結果的に指名から漏れたとはいえ、自分に自信を持って高いハードルを設けるのは悪いことではありません。この経験を糧に、大学で努力を重ねていってほしいですね。

アレックス・ラミレス（元DeNA監督） ©Shigeki Yamamoto

1位の中の1位は？ 「ラミちゃん二重丸をつけたい」

――最後に、ラミレスさんが考える「もっとも楽しみなドラフト1位」はどの選手か教えていただけますか？

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