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“大谷翔平ドラフト”83人の「11年後サバイバル率22.9%」藤浪晋太郎と鈴木誠也もMLB、宮崎敏郎や菅野智之ら“豪華同期”の裏にある非情さ
posted2023/10/27 11:04
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki(C),JIJI PRESS(L,R)
1965年に始まったプロ野球ドラフト会議も今年で59年目となる(1966年だけは2回行われたから回数で言えば60回目だが)。指名された当初は全員が、希望に胸を膨らませ、スター選手になるべく、スタートを切るのだが、その後のキャリアでは残酷なくらい差がついてしまうのだ。
今から11年前、2012年のドラフト会議では、支配下で70人、育成で13人、合わせて83人の選手がドラフト指名された。彼らの「現在地」を見てみよう。
この年のドラフトの指名順で紹介する。◎は2023年10月時点でNPB、MLB球団に所属している選手(戦力外通告を受けた選手は除く)。
DeNA:ドラ2三嶋、ドラ6宮崎が主力としてプレー
〈横浜DeNAベイスターズ〉
1位・白崎浩之・内野手22歳/駒沢大
2位・三嶋一輝・投手22歳/法政大◎
3位・井納翔一・投手26歳/NTT東日本
4位・赤堀大智・外野手25歳/セガサミー
5位・安部建輝・投手26歳/NTT西日本
6位・宮﨑敏郎・内野手24歳/セガサミー◎
育成1位・今井金太・投手18歳/広島国際学院高
亜細亜大の東浜巨を1位指名するも外れたDeNAは、駒沢大の大型三塁手・白崎を獲得するもオリックスを経て2020年に戦力外。2位の法政大・三嶋は先発から救援に転向し活躍。2022年胸椎黄色靱帯骨化症になるが手術の後、マウンドに復帰。3位のNTT東日本・井納は2014年に11勝を挙げるなど先発で活躍。2021年に巨人にFA移籍するも翌年引退。6位指名と全く目立たなかったセガサミーの宮﨑は今年、2回目の首位打者に輝いた。
オリ:現役を続ける2人はともに他球団へ
〈オリックス・バファローズ〉
1位・松葉貴大・投手22歳/大阪体育大◎
2位・佐藤峻一・投手21歳/道都大
3位・伏見寅威・捕手22歳/東海大◎
4位・武田健吾・外野手18歳/自由ケ丘高
5位・森本将太・投手20歳/BCL福井
6位・戸田亮・投手24歳/JR東日本
育成1位・原大輝・捕手24歳/BCL信濃
育成2位・西川拓喜・外野手25歳/BCL福井
大阪桐蔭の藤浪晋太郎、大阪ガスの松永昂大と地元投手を1位指名で外したオリックスは、外れ外れで大阪体育大の左腕・松葉を指名。松葉は2019年にトレードで中日に移籍、先発として活躍。3位の東海大、伏見は昨年まで若月健矢とともにオリの本塁を守り、今年から日本ハムに所属となった。