シーズン後半で2年目・森翔平投手が頭角を現してきたが、左腕エース・床田寛樹を追走する若手が見えてこない現状だから、2位は地元・広陵高出身の高太一（大阪商業大）が挙がった。

　高校、大学とエースにはなりきれなかったが、投げる能力なら、1位指名された学生左腕たちと互角。成功体験を重ね、自分の潜在能力の大きさに気づいた時の弾け方に期待している。左腕にしか投げられないボール「クロスファイアー」は、間違いなく右の強打者たちの腰を退かせる迫力だ。

　夏の甲子園でスカウトたちがビックリしたと言われる左腕・黒木陽琉（神村学園高）。140キロ級の速球の角度と鋭いタテのスライダー。何より、マウンドの投げっぷりからほとばしる「打たせるものか！」の負けじ魂。

　昨年なら1位もあったかもしれない未完の大器だ。

　4位・村田怜音内野手（皇学館大）のことは、勝手に「伊勢のガリバー」と名付けて、呼んでいる。センター方向へのありえない長打力と、サイズのわりに動けて走れる意外性が大きな魅力。自分から練習できて、黙々と鍛える。こんな選手、今まで見たことない。マツダスタジアムの人気者になれるヤツだ。

　入団発表の「絵」が、もう浮かんでいる。189cm102kgの新井監督が、まだもうひと回り大きい村田怜音選手に帽子をかぶせているその傍らで、頼もしげに見上げている皇学館大・森本進監督は、駒沢大野球部で新井監督の大先輩だったりするのだ。

広島5位「甲子園を沸かせた主砲」は下位指名なら大学も…？

　和製大砲候補・真鍋慧内野手（広陵高）の5位指名。今のカープには、どうしても必要なタイプだが、実は上位指名じゃなければ、ある大学に進学というお約束があるそうな。物議をかもす可能性もありそうだ。

　カープとの交渉過程に注目したい。

　そして、2023年カープの隠し玉は、6位・杉田健投手（日本大国際関係学部）。静岡・三島市に校舎があり、静岡県の大学リーグに所属している。            

　大学4年間で別人のような体格を構築し、長身から投げ下ろす速球も常時140キロ台に。制球、コンスタントさ、冷静さ……要勉強の要素はあるが、見て驚いた一塁牽制、二塁牽制のアクションスピードと精度の素晴らしさ。

　あの突き抜けた野球センスがあれば、本人の本気度次第で、課題克服も十分可能と期待している。

＜ソフトバンク・阪神・オリックス編へ続く＞

#4に続く

「“関西発”高校No.1サウスポーは阪神へ」「育成のオリックス真骨頂は“社会人の下位指名”」ドラフト全指名予想《ソフトバンク・阪神・オリックス編》