正真正銘の地元枠で、6位・早坂響（幕張総合高）。捕手から転向して1年ほどのキャリアで150キロをマークして注目された。

　むしろ、元捕手のなごりがまったく見えない柔軟なフォームのほうに興味あり。野球センスが高い。抜け球の多さ、牽制、クイック、打者との間合い……これから勉強の部分は多いが、それがそのまま、早坂投手の「伸びしろ」だ。

「3球団競合」今年1番人気の投手は広島へ！

【広島　2023年ひとりドラフト指名選手】

1位　常廣羽也斗　22歳　投手　青山学院大　180cm73kg　 右投右打
2位　高太一　22歳　投手　大阪商業大　183cm79kg　 左投左打　
3位　黒木陽琉　17歳　投手　神村学園高　183cm76kg   左投右打
4位　村田怜音　22歳　内野手　皇學館大　196cm110kg　右投右打
5位　真鍋慧　18歳　内野手　広陵高　189cm95kg   右投左打
6位　杉田健　22歳　投手　日本大国際関係学部　189cm82kg 右投右打

【広島　総評】

　昨年、大きく負け越しての5位。メジャーから帰還した秋山翔吾外野手が加入した以外、目立った補強もなかったにもかかわらず、今季最後の最後で、リーグ2位にまでのし上がった広島カープ。

　選手以上に外向きのエネルギーを発散させる新井貴浩新監督の姿を見ていると、ああ、この監督さんはまだ半分以上「選手」なんだな……と、嬉しく思ったものだ。

　来季のペナントレースでは、ぜひ、自ら三塁ベースコーチの位置に立って、文字通りの「陣頭指揮」を。マツダスタジアムがさらに一段と盛り上がること、間違いなしであろう。

　事前表明したドラ1、青山学院大・常廣羽也斗を3球団の重複を乗り越えて手中にしたのは、チーム一丸の大奮戦に、野球の神様がごほうびをくださったのか。報いねばならぬ来季となる。

　カープ伝統ともいえる正統派オーバーハンド右腕。その系譜を正しく踏襲した人選だろう。

　150キロに及ぶ快速球に、スピード感十分のナックルカーブ。まっすぐと同じ軌道から沈めるフォークは変化点も打者に近く、打者が振り始めてから消える魔球の体感。シュッとしたマウンドの立ち姿にもスター性があふれる。

　ちなみに、常廣投手の大分舞鶴高と、森下暢仁投手の大分商高は、ほとんど道一本隔てた隣同士。そんなところでもカープとつながっていた。

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