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ドラフト有力投手は大学生が目白押し! ナンバー1は「投げる哲学者」…注目は数字以上の“投球術”にアリ 2023年ドラフト目玉候補《投手ベスト3》
posted2023/10/23 11:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
JIJI PRESS
10月26日に迫った2023ドラフト会議。すでに、さまざまなメディアで、多くの記事が報道されている中、今年も恒例のドラフト企画をお送りしたい。まずは「2023ドラフト候補・ポジション別ベスト3」。
最初は「投手編」だ。この後、「捕手編」、「内野手編」、「外野手編」と続きます。1年間、いや、数年間の取材の集大成として、渾身のドラフト展望の連続。お付き合いのほど、どうかよろしくお願い申し上げます。
すでに、今年のお正月ぐらいから「2023ドラフト」は「大学生投手のためのドラフト」と、そのようなことをお伝えしてきた。直前のこの時期になっても、そうした色合いは全く変わっていない。
その理由は、対象になる大学生投手たちが、頑張って調子を維持ないしはアップさせてくれたおかげで、ドラフト戦線に新規参入した投手はいてもはっきり脱落した投手がいなかったからだ。
ドラフト1位だの、上位候補だのと言われて、ハタチちょっとの微妙なお年頃の青年たちなら、良くも悪くも心が揺れ動かないわけはない。そんな中でよくぞ一心に精進してくれたもの……と、こちらも頭の下がる思いだ。
大学生投手に好素材がこんなに揃った年が、これまであったろうか?
ここは敬意を表して、彼らの中から3投手に絞りたい。
今年は大学に好投手が目白押し。ここでは「投球術」に注目
速い投手は何人もいる。数字で表現できるから報道されやすい。ならばここでは、その逆を突きたい。
驚くような「数字」はなくても、投球術という武器を駆使して、相手打線を手玉に取る。そんなテクニシャンも、打者にとっては手の焼ける相手だ。
明治大には今年、ドラフト上位候補と目される投手たちが3人いて、それぞれに個性の異なる快腕といってよい。
左腕・石原勇輝投手(180cm85kg・左投左打・広陵高)は145キロ前後のクロスファイアーに、直球と30キロは球速差のあるカーブと魔球と称したいほどのチェンジアップを交え、右腕の蒔田稔投手(178cm83kg・右投右打・九州学院高)は、強烈な粉砕力の速球にフォークで高低を攻める。