「いや、監督自身はとくに変わってないですね。最初は青森山田でやっていたことが、プロでも通用するのかなとは思いましたけど、結果を追求するスタイルはプロでも変わらない。その考え方が間違いではないからこそ、いまの町田の順位があると思いますから。勝ち続けて、“目の敵”にされるのは青森山田もそうでした。

　練習は相変わらずハードですし、高校時代とコンセプトは一緒。もちろん、高校生とプロでは技術も体力も違うし、メニューはアレンジされていますけど……セットプレーにこれほど時間をかけて練習するチームは珍しいと思います。その辺を妥協しないのも、監督らしい。

　もちろん、学生時代はこっちから意見なんてできませんでしたが、いまはプロとして接してくれて、距離感はいまの方が近くなった気がします。ただ、オフの前日などは僕だけ『今から、遊びに行くなよ』『飲みに行くなよ』と、言われますけどね（笑）」

徐々に出場機会が増え、ここまでリーグ戦21試合に出場　©AFLO

　ポープが新鮮で面白いと話したミーティングについて「言っていることは昔から変わらない」と藤原は言う。

「めっちゃ長いのは、昔からです（笑）。一番強調しているのは、メンタルのところだと思います。内容はプロになったからといって目新しいことはありません。基本の徹底ですね。たとえば開幕直後に6連勝しましたが、その間に3節の金沢戦（〇2-1）で唯一1失点しました。そのゴールが（アディショナルタイムに追加点を挙げて2-0としながら）90分+8分の失点だったことで納得がいかなかったのか、その後もずっと言っていますからね。

　しつこく言いますし、100人いれば100人が納得できるかはわからないですが、それだけ言うっていうのは芯が通っているからだと思います。考えがブレないところは本当に信頼できますし、そこまでしているから青森山田でも町田でも結果を出せているんだと思います」

＜《黒田監督インタビュー編①、②》から続く＞
黒田監督は禁断の移籍、ロングスロー、時間稼ぎ……“賛否の声”にどう答えたのか？