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「Jリーグで最下位のスタジアム」いわてグルージャ盛岡・秋田豊社長が語る“スタジアム改修”への熱意「岩手県からサッカーの火を消さないために」

posted2023/09/13 18:30

 
「Jリーグで最下位のスタジアム」いわてグルージャ盛岡・秋田豊社長が語る“スタジアム改修”への熱意「岩手県からサッカーの火を消さないために」<Number Web> photograph by Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

いわてグルージャ盛岡がホームとして使用する『いわぎんスタジアム』。秋田豊社長はスタジアム改修の必要性を強く訴えている

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

現在、複数のJリーグのクラブにとって「ホームスタジアムをどうすべきか」が喫緊の課題となっている。J3のいわてグルージャ盛岡も、Jリーグが定める基準を満たせていないクラブのひとつだ。「Jリーグ60チームで最下位のスタジアムだと思っています」「我々は崖っぷちに追い込まれているんです」――運営会社のオーナー兼社長を務める秋田豊に、グルージャが直面する厳しい現実について話を聞いた。(全2回の1回目/後編へ)※文中敬称略

入場可能数“約5000人”のホームスタジアム

 Jリーグ各クラブのホームのスタジアムは、様々なバックグラウンドを持つ。

 1964年の東京五輪で使用されたものから、1993年のJリーグ開幕、2002年の日韓ワールドカップ、あるいはアジア大会やユニバーシアード開催のために造られたものがある。ジュビロ磐田が使用するヤマハスタジアムのように、企業の施設として建てられたものもある。J2のブラウブリッツ秋田が使用する秋田市八橋陸上競技場は、実に80年以上前の1941年9月に開場している。

 J3のいわてグルージャ盛岡がホームとする盛岡市内の『いわぎんスタジアム』は、1998年に開場した。インターハイ誘致を機に建てられた球技場で、入場可能数は4946人となっている。

 Jリーグにはスタジアムに関する基準がある。J1で戦うには1万5000人以上、J2では1万人以上を収容できるスタジアムを、確保しなければならない。同時に、J1は1万席以上、J2は8000席以上の座席を求められる。観客席の3分の1以上は屋根で覆う、大型映像装置(ビジョン)を設置するといった要件もある。

 いわぎんスタジアムは、これらすべてを満たすことができていない。いわてグルージャ盛岡を運営する株式会社いわてアスリートクラブの代表取締役オーナー兼代表取締役社長を務める秋田豊は、「初めて来た人は、『ここでJリーグをやっているのか』と驚くのでは」と切り出した。

「観客席は、個別に分かれていないベンチシートと芝生席です。個席になっていないので、年間指定席はテープを貼って区切っています。メインスタンドの屋根のある部分は、中継用のブースに使っています。ですから、一般の方は屋根のない席で観ていただくしかないんです。記者席も机が常設のものはありません」

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