誹謗中傷に悩む選手たちへの思い

――プロ野球含めプロスポーツの世界で見られますが、試合中のプレーに対してさえ中傷コメントが寄せられるというのは、あらためて異常だなと思います。

清田　プロ野球選手も、1人の人間なんですよ。打たれた投手が誹謗中傷されることも少なくない。すべての選手が異常なプレッシャーの中でプレーしている。頑張っているのに「やめちまえ」「二軍行け」の声で、精神的に苦しくなる選手は確実にいるんです。

華やかさの陰で、苦悩も多かったプロ野球時代　©Tamon Matsuzono

――眠れなくなるほど苦悩している選手が多くいる。そのうえ誹謗も受けるとなれば、精神的にこたえますよね。

清田　もちろん僕の場合は、選手がプレーで叩かれるのとは状況が違います。ただ……中傷コメントは本当にトラウマになるので、そこだけですね。

清田が描く「将来」は

――酸いも甘いも、野球人生で本当に多くのことを経験してきたと思います。今後も野球に関わる仕事を？

清田　埼玉でのプレーは今年1年間と自分の中では決めています。その間はとにかく悔いのないように、そして若い選手たちに自分の経験を少しでも還元していきたい。

　将来的には、ロッテ退団後に経験した「子どもたちに野球を教えること」に携わっていきたいと思っています。大学生の時にイップスも経験して、野球をやめようと考えたこともあった。ロッテ時代に経験した好不調の波の対処法や、メンタルの整え方、そして金森さんのような「お前が打てなかったらすべて俺の責任」と言ってくれるような教え方……。そうした経験を野球界に還元したい。今後も批判されるかもしれませんが、1人の人間として一皮むけたいです。それが、お世話になった方々への恩返しになると思うので。
 

大活躍した2010年の日本シリーズで　©Shigeki Yamamoto

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