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プロ野球PRESSBACK NUMBER
清田育宏がいま明かす“苦悩のロッテ時代“…好不調の波はナゼ?「ネガティブな考えばかり浮かんで…」「今もネットは見られない」
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/05/24 11:06
ロッテ時代の清田
――難しいですね。現状に甘んじていると結果が出なくなるという声もありますし。
清田 もちろん一流のバッターたちも、気分転換でバットやフォームを変えたり、とかはあるんですよ。ただ「根本」は変えていないんです。マインド的な面では、一喜一憂しない、と言い換えられるかもしれない。自分なんてそこまでの選手じゃなかったのに。もっと違うやり方があったんじゃないか、という後悔はあります。
「眠れない夜がたくさん」悩んだ現役時代
――勝手な印象ですが明るいイメージがあったので、それほど悩んでいたとは……。
清田 よく言われます。あくまで僕の印象ですが、お調子者に見える人のほうがメンタルは弱い傾向にあると思います、プロ野球の世界では。そういう姿を見せたくないから明るく振る舞う。僕も気持ちがものすごく弱いんです。打てなくなったとき、二軍落ちが決まったとき。眠れない夜がたくさんありました。そうした日々を鮮明に覚えているので、先ほど言ったようにNPBに戻りたいとは思わなくなりました。
――なるほど。華々しさの裏にあるリアルを感じます。
清田 ただもちろん、手を差し伸べてくれた方々も多くいました。夜中までつきっきりで指導いただいた金森栄治さん(現・早大助監督)、自主トレでも監督としてもお世話になった井口資仁さん、それにチームメイトも。にもかかわらず、シーズン中にクビになったことは本当に申し訳ないです。
チームメイトにも何も挨拶できずに終わってしまって……。選手、首脳陣、スタッフ、そしてファンの方々には本当に申し訳ありません、としか言えないです。そんな僕に対しても、ヒートベアーズの入団が決まったとき、金森さんや井口さんから「最後まで頑張れ」「応援している」とメッセージをいただいて。それだけで嬉しかったです。
――この2年間で、あの騒動に対する考え方も変わりましたか。
清田 自分が起こしたことですので、申し訳ない気持ちは変わりません。批判されて当たり前のことをしたので。ただネット記事は今も見られないです。見たらやっぱり精神的に辛くなるというか、批判だけではなく、誹謗中傷もあると思うので。