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「プロ野球監督の1日ってどんな流れ?」前ロッテ監督・井口資仁が明かす“リアルな仕事内容”「9時半に家を出て…」「オーダーを考えて会議に」
posted2023/04/29 11:00
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph by
Tatsuo Harada
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驚きの辞任発表…なぜ?
選手も知らされていない急転直下の辞任だった。昨年10月2日、最終戦セレモニーでロッテ・井口資仁監督が当シーズン限りでの退任を発表すると、ZOZOマリンスタジアムは騒然とした。
「その数日前に続投の要請を頂き、協議を重ねていきました。最終戦の試合前にもいろんな意見交換をしました。その中で、球団の意見を自分が呑めないと思い、成績も5位と悪かったので、責任を取って辞任を決めました」
〈ロッテ・井口監督電撃辞任の舞台裏で何が? 受け入れられなかった“コーチ刷新”〉(2022年10月4日配信・スポニチアネックス)という報道もあった。
「まあまあ、そういうのを含めてですね。他にも『2025年までに常勝チームを作る』というプロジェクトの中で、自分と球団のプランに相違が出てきてしまった。その具体的な内容までは言えないですけどね」
意見は往々にして、編成と現場で分かれる。2017年、ロッテで現役を終えた井口は監督のオファーを受ける。就任条件として、コーチの人選について自分の希望を反映できることを挙げた。編成は受け入れ、井口はアトランタ五輪で一緒に戦った盟友・今岡真訪、ダイエー時代に二遊間のコンビを組んだ鳥越裕介、青山学院大学のチームメイトである清水将海、ダイエーやロッテで共にプレーした的場直樹を招聘した。時が経ち、フロントも代わったことで就任時のようには行かなくなったのかもしれない。
「自分の意見は伝えますけど、最終的には球団がコーチを決めます。その時のチーム状況によって、必要なコーチは変わります。たとえば一昨年、鳥越さんがヘッドコーチから二軍監督になられたので、監督経験もある森脇(浩司)さんに来て頂きました」
「選手の移籍」誰が決める?
プロ野球は人事の連続である。選手の移籍に関して、監督の意向はどこまで受け入れられるのか――。
井口の在任中、ロッテでは7件のトレードが成立。そのうち6件はシーズン中に行われた。澤村拓一や岡大海などを獲得し、香月一也や藤岡貴裕などが移籍した。