プロ野球PRESSBACK NUMBER
「普通に考えたら大谷翔平。でも最大の驚きは…」谷繁元信が選ぶWBC“ここまでのMVP”は?「すべてがハイレベル。人間性も素晴らしい」
text by
谷繁元信Motonobu Tanishige
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/14 11:05
オーストラリア戦の初回、先制3ランを放った大谷翔平を迎え入れるラーズ・ヌートバーと近藤健介。この1、2、3番が侍ジャパンを牽引している
実際に打てていない以上、批判を受けるのは仕方がない。プロ野球選手はそういう仕事ですし、ましてや日本代表の4番ですから。村上もそれはわかっているはずです。でも大事なところで打てれば、すべてをひっくり返せる職業でもある。2006年の福留孝介、2009年のイチローのように、彼にもそれができると信じています。首脳陣とのコミュニケーションも含めて、オーストラリア戦から準々決勝までの数日間の過ごし方が大事になってくると思います。
大谷→ダルの継投も「十分に考えられる」
準々決勝で戦うイタリアは、大会前からダークホース的な存在だと言われていました。メジャーリーガーの数は日本よりも多い(8人)ですし、決して侮れない相手です。対戦経験の多いキューバや台湾よりも、日本にとっては難しい相手かもしれません。いま、日本のスコアラーはイタリアの情報をかき集めているでしょうね。
イタリア戦の先発は大谷が有力だそうですが、2番手以降の投手も重要になってきます。最初の2試合で投げた戸郷翔征、ダルビッシュ有、今永昇太の3人は準備ができていると思いますが……。もう負けたら終わりですから、大谷からダルビッシュへの継投も十分に考えられます。ただ、今永の状態もよさそうなので、彼を先に投入する可能性もある。他の中継ぎも含めて、そのとき「一番いい投手」を臨機応変に起用していくんじゃないでしょうか。
とにかくここからは、勝てる保証のない一発勝負が続きます。僕が言うまでもなく油断はないと思いますが、戦力を出し惜しみせず、総力戦で世界一に向けて突っ走っていってほしいです。
<3月16日の準々決勝後にも谷繁元信氏の解説を掲載予定です>
(構成:NumberWeb編集部)
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。