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「ヌートバーのスイングは“面を長く使える打ち方”」谷繁元信が語る日韓戦の勝因と“村上宗隆へのエール”「たしかに調子は悪い。ただ…」
posted2023/03/11 17:02
text by
谷繁元信Motonobu Tanishige
photograph by
Naoya Sanuki
勝敗を分けたポイントは「源田、中村の連続四球」
韓国戦の勝敗を分けたポイントは3回裏、3点を先制された直後の日本の攻撃にあると見ています。特に大きかったのが、8番の源田壮亮、9番の中村悠平が連続で四球を選んだこと。強化試合から状態のいい1、2、3番の前にノーアウトでランナーをためることができて、ヌートバー、近藤健介のタイムリーが出た。打線の流れが見事につながったな、という印象を受けました。
その後の大谷翔平が歩かされたのは想定内として、ノーアウト満塁から村上宗隆がショートフライで凡退して吉田正尚という場面。経験上、前の打者が倒れて1アウト満塁という状況は、1アウトからつないで満塁になった場合と比べて難しくなることが多いんですが、あそこで吉田が2点タイムリーを打ってくれたのは大きかった。直後の4回、ダルビッシュ有がもう1イニングいくのかなと思ったら、今永昇太にスイッチしてビシッと相手の流れを断ち切った。個人的には、あの時点で「これは大丈夫そうだな」と感じました。
正直、韓国がここまで投手をコロコロ代えてくるとは想像していませんでした。球数制限があるとはいえ、10人ですか……。それだけ首脳陣が投手陣を信用していないということでしょう。大会前から話には聞いていたんですが、本当に投手の層が薄いところを見せてしまった。結局、先発の金廣鉉が一番よかったかもしれません。
その点、日本の投手陣はレベルがまるっきり違う。僕が言うまでもなく、韓国と比べると一目瞭然だったでしょう。とはいえ4失点はしているので、そのあたりはもう少し締めていってほしい。油断さえしなければ、準々決勝までは十分に力で抑えられるメンバーが揃っていると思います。