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「ヌートバーのスイングは“面を長く使える打ち方”」谷繁元信が語る日韓戦の勝因と“村上宗隆へのエール”「たしかに調子は悪い。ただ…」

posted2023/03/11 17:02

 
「ヌートバーのスイングは“面を長く使える打ち方”」谷繁元信が語る日韓戦の勝因と“村上宗隆へのエール”「たしかに調子は悪い。ただ…」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

WBC2試合を終えて打率5割、守備でも好プレーを連発しているラーズ・ヌートバー。谷繁元信氏は「MLBでももっと打率を残せる」と太鼓判を押す

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谷繁元信

谷繁元信Motonobu Tanishige

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Naoya Sanuki

2009年以来のWBC優勝を目指す侍ジャパンが、1次ラウンド初戦の中国に続き、難敵・韓国にも地力の違いを見せつけて2連勝を飾った。先発のダルビッシュ有が3点を先制されるという予想外の展開のなか、勝利を手繰り寄せたポイントはどこにあったのか。そして無安打が続く4番・村上宗隆の復調は……。2006年WBCの優勝メンバーで元中日監督の谷繁元信氏が、侍ジャパンの戦いを分析する。

勝敗を分けたポイントは「源田、中村の連続四球」

 韓国戦の勝敗を分けたポイントは3回裏、3点を先制された直後の日本の攻撃にあると見ています。特に大きかったのが、8番の源田壮亮、9番の中村悠平が連続で四球を選んだこと。強化試合から状態のいい1、2、3番の前にノーアウトでランナーをためることができて、ヌートバー、近藤健介のタイムリーが出た。打線の流れが見事につながったな、という印象を受けました。

 その後の大谷翔平が歩かされたのは想定内として、ノーアウト満塁から村上宗隆がショートフライで凡退して吉田正尚という場面。経験上、前の打者が倒れて1アウト満塁という状況は、1アウトからつないで満塁になった場合と比べて難しくなることが多いんですが、あそこで吉田が2点タイムリーを打ってくれたのは大きかった。直後の4回、ダルビッシュ有がもう1イニングいくのかなと思ったら、今永昇太にスイッチしてビシッと相手の流れを断ち切った。個人的には、あの時点で「これは大丈夫そうだな」と感じました。

 正直、韓国がここまで投手をコロコロ代えてくるとは想像していませんでした。球数制限があるとはいえ、10人ですか……。それだけ首脳陣が投手陣を信用していないということでしょう。大会前から話には聞いていたんですが、本当に投手の層が薄いところを見せてしまった。結局、先発の金廣鉉(キム・グァンヒョン)が一番よかったかもしれません。

 その点、日本の投手陣はレベルがまるっきり違う。僕が言うまでもなく、韓国と比べると一目瞭然だったでしょう。とはいえ4失点はしているので、そのあたりはもう少し締めていってほしい。油断さえしなければ、準々決勝までは十分に力で抑えられるメンバーが揃っていると思います。

【次ページ】 ダルビッシュが被弾した2ランの配球を分析

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谷繁元信
源田壮亮
中村悠平
ラーズ・ヌートバー
近藤健介
大谷翔平
村上宗隆
吉田正尚
ダルビッシュ有
今永昇太
栗山英樹
福留孝介
キム・グァンヒョン
ヤン・ウィジ

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