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大谷敬遠→村上勝負の屈辱…それでも村上宗隆を侍ジャパンの4番で使い続けるのか? WBC韓国戦、快勝の裏で迫られる栗山監督の重い決断
posted2023/03/11 17:25
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Naoya Sanuki
侍ジャパンが宿敵・韓国を圧倒して、1次ラウンド突破に大きく前進した。
先発のダルビッシュ有投手が3回に3点を先制されたものの、直後に吉田正尚外野手の中前タイムリーを含む3安打で逆転に成功。5回には近藤健介外野手が右越えソロ本塁打、さらに大谷翔平投手の一塁線を破る二塁打を足場に再び吉田の犠飛で追加点を奪った。その後も韓国投手陣の制球難もあって13安打の13得点と打線が大爆発しての圧勝だった。
「いろいろ野球の難しさというのはやはり感じていましたけど、とにかく選手たちが自分のできることに集中して、本当に何とかしようという思いでやっていくことがこの流れにつながったと思う」
こう語ってとりあえず安堵の表情を浮かべたのは試合後の栗山英樹監督だった。ただその一方で大勝の中で浮かび上がった課題も見逃してはいない。
「良い面もありましたけど、まだまだ考えなければいけないこともあるので、勝つことができただけに反省するところは反省していきたい」
その反省の最大の焦点となるのが、4番・村上宗隆内野手の処遇であることは間違いない。
不振のトンネルを抜け出せない。
「そろそろ打ちたいなと思っています」
開幕から2試合連続で無安打に終わった試合後にこう切り出した村上は、「修正点は何となく分かってきているのか?」という報道陣の問いに少し気色ばんでこう答えた。
「分かっていたら打てると思うので、まだ分からないですけど、とにかくそんなことを言っていられないので、しっかり結果を出せるようにやっていきたいと思います」
WBCでノーヒット。韓国戦では屈辱の…
開幕の中国戦では1回の第1打席こそ相手投手の乱調から押し出し四球を選んで先制点となる打点1を挙げたが、二塁打の大谷を置いた4回の第3打席は二ゴロ。8回の無死一塁でも空振り三振とノーヒットに終わっている。
そしてこの日の韓国戦ではこんな屈辱も味わった。