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猛牛のささやきBACK NUMBER
オリックス投手陣もびっくり?「やんちゃなイメージだったんですけど…」森友哉(27歳)の意外な素顔とは〈パ3連覇の鍵を握る正捕手争い〉
posted2023/03/02 11:02
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
KYODO
自信満々な選手なのではないかと、勝手なイメージを抱いていた。
今季、FA移籍でオリックスに加入した捕手の森友哉である。
大阪桐蔭高校時代は、1学年上の藤浪晋太郎(アスレチックス)や、昨季までオリックスに所属した澤田圭佑(ロッテ)らとバッテリーを組んで甲子園春夏連覇を達成。ドラフト1位で西武に入団すると、高卒1年目から41試合に出場し、打率.275、6本塁打を記録した。
2018、19年にパ・リーグ連覇を果たし、19年には、捕手としては史上4人目、パ・リーグの捕手では野村克也氏以来54年ぶりの首位打者を獲得。リーグMVPにも輝いた。“打てる捕手”として地位を確立した日本球界を代表するトップ選手の1人。昨シーズンのオフ、FA権を行使し、4年総額18億円(推定)の大型契約でオリックスに入団した。
改めて、輝かしい経歴である。だが、まだ何かを確立した、何かを成し遂げたという感覚はないという。
「うまくいったと思ったことなんて…」
プロ入り後、どのような壁を乗り越えて今に至るのかを聞こうとしたら、森は「むず!」と苦笑して、こう続けた。
「全部が壁ですよ。何も、うまくいったと思ったことなんて1回もないです。毎日毎日壁に当たりますし、そのたびに、いろんな引き出しを出してきて、なんとか乗り越えていくっていう。もう日々それですね。だから、昨年も一昨年も、その前も、『うまくいったな』なんて思う年は1つもないです」
首位打者とMVPを獲得した2019年ですら、「まだまだ。自分にできたことはまだまだたくさんあるな」という感覚だという。
「まだまだ」という渇望が森を動かす。オリックスの宮崎キャンプで他の選手に森の印象を聞くと、「真面目」「練習熱心」という声が多く聞かれた。