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猛牛のささやきBACK NUMBER
オリックス投手陣もびっくり?「やんちゃなイメージだったんですけど…」森友哉(27歳)の意外な素顔とは〈パ3連覇の鍵を握る正捕手争い〉
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKYODO
posted2023/03/02 11:02
NumberWebの単独インタビューで新天地オリックスでの日々を明かした森友哉(27歳)。同い年・若月健矢との正捕手争いにも注目が集まる
森と若月は、高校3年時、U18日本代表でチームメイトだった。当時は森が正捕手で、若月は控え。プロ入り後も森が先を走ってきた印象がある。
だが森からは、そんな自負や余裕は感じられない。過去2年間、伏見の出場数が若月を上回っていたが、「自分は(若月が)オリックスの正捕手やと思ってます」と森は言う。
「自分より、キャッチャーで試合に出るのは若月のほうが早かったんで、すごいなと思っていました。若月は2016年ぐらいから。自分はキャッチャーでちゃんと出始めたのは17、18年あたりなので。負けたくないなとは思っていました」
一緒にキャンプを過ごして感じていることは?と聞くと、目を見開いて言った。
「いや、すげーっす、あいつ。体めっちゃ強いっす。バリバリ投げてるし、バリバリ打ちますし、しかも疲れてなさそうですし。やっぱり体、強いなーと思いますね。プロ野球選手にとって、体が強いというのはむちゃくちゃ武器なんで。そういった意味ではうらやましいですね。自分シーズン中は痛いとこだらけなんで」
リスペクトし合う同い年。だが心の内では火花が散っている。
投手陣が絶賛するキャッチング技術
オリックスの投手陣に森について聞くと、まず“打者・森友哉”と対戦しなくてよくなったことを喜んでいた。
山崎福也は、「ほんっとに嫌だったんで(笑)。よく打たれていたし。西武の打線を見て『うわ、森君いるわー』みたいな感じだった。だから、ラッキーですね、来てくれて」と笑う。
昨年まで森が対戦時に打席で感じていたことを聞けることも、投手にとっては大きなプラスだ。
そしてブルペンで“捕手・森友哉”に初めて球を受けてもらった投手陣は、「キャッチングがすごくいい」と口を揃える。
山崎福は、「シンプルにうまい。なんか自分の球が速く見えました。音も良かったですし」と語り、近藤も「垂れたかな?と思った球も、伸びているようにとってくれる。いい意味で勘違いさせてくれるので、腕が振れるようになる」と絶賛していた。
だが、そのことを伝えられても、森のテンションは上がらない。
「いやいやいや、試合になったら全然です。ブルペンでやっていることを試合でしっかり出せたらいいんですけど、試合になるとどうしても、うまくいかないことだらけなんで。まあそれはもうしょうがないですし、これから試合を重ねていく中で、克服できたらいいなと思っています。まだまだ練習段階なので」
あくまで謙虚に、真摯に自身の課題を見つめる。