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猛牛のささやきBACK NUMBER
オリックス投手陣もびっくり?「やんちゃなイメージだったんですけど…」森友哉(27歳)の意外な素顔とは〈パ3連覇の鍵を握る正捕手争い〉
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKYODO
posted2023/03/02 11:02
NumberWebの単独インタビューで新天地オリックスでの日々を明かした森友哉(27歳)。同い年・若月健矢との正捕手争いにも注目が集まる
投手の近藤大亮は、「真面目ですね。もうちょっとやんちゃなイメージだったんですけど、全然。野球に対してはすごく真面目」と語る。
取材に訪れた日も、紅白戦やその後の決められたメニューを終えた後、頓宮裕真とともにSOKKENスタジアムの一塁ベンチ前で長時間ロングティーを行なった。伸びのある打球がライトポールめがけて飛んでいく。最後は右打ちでもスタンドに放り込み、打ち終わると、外野で球拾いをしてくれていたアルバイトの学生たちに深々とお辞儀をして、グラウンドをあとにした。
チームを勝たせることが捕手の役割
打撃は間違いなく大きな武器。昨年までもDHでの出場はあった。だが森は捕手としての出場にこだわる。昨年11月の入団会見の際には、「もちろん自分の一番の武器はバットだと思っているんですけど、それでもここまで積み重ねてきたもの、守備面を見てもらいたいというか、守りの部分でもしっかり評価してもらいたいと思っています。1試合でも多くマスクを被ることに意味があると思いますし、できれば全試合被るくらいの気持ちでやっていきたい」と語っていた。
新天地での正捕手争いの中で、捕手として、ここだけは負けないという部分は?と尋ねると、「むずいっすねー」とまた悩ませてしまった。
「ここだけは負けない、っていうものは、自分にはないと思います。ただ、キャッチャーとしてマスクを被る以上、一番の評価って、まず勝つことなんで。その“勝ち”に、貪欲にいくという意味では、誰にも負けないぐらいの気持ちでやっています」
昨シーズンまでの2年間、オリックスの捕手はほぼ伏見寅威と若月健矢の併用だったが、伏見が日本ハムに移籍し、逆に石川亮が日本ハムから加入した。昨季は一塁での起用も多かった頓宮も、捕手での出場を狙っている。
森と若月、石川の3人は同学年。若月は、森の加入が決まったあと、「バッティングも守備も本当に素晴らしい選手。同学年なので昔からそれは一番わかっています」と話していた。
ライバル若月「勉強になりますよ」
実際に森とともにキャンプを過ごし、こう語る。
「勉強になりますよ。バッティングはもちろん、守備も普通にうまい。やっぱり足の運びとかステップとか、握り替えも速い。それはもともと知っていたんですけど、一緒に練習してみると、また違いますからね。大阪人だし、ノリも面白いので、楽しいですし」
とはいえ簡単にポジションを明け渡すつもりはない。
「やっぱり譲ってちゃダメだと思うんで。行くとこはしっかり行けるようにしないと」