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ベスト8ならずも…日本代表はイタリアで愛された「ドウアンは魔法の電子レンジ」「ご愛嬌のトミヤス代表監督」スペイン戦後の大絶賛

posted2022/12/06 11:01

 
ベスト8ならずも…日本代表はイタリアで愛された「ドウアンは魔法の電子レンジ」「ご愛嬌のトミヤス代表監督」スペイン戦後の大絶賛<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

イタリア人のハートをガッチリとらえた日本代表。その戦いぶりは今後に向けての1つの指針と言ってもいい

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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Kiichi Matsumoto/JMPA

カタールW杯、日本代表の躍進は世界で報じられた。その中でも特にイタリアは好意的に伝えている。その現地の空気感を現地在住日本人ライターに描いてもらった。(ドイツ戦編も)

「見た、見たよ! すごかった!」

 日本がスペインに逆転勝ちした1日夜、元イタリア代表DFラノッキアから携帯へチャットメッセージが届いた。

 カタールW杯開幕前に彼をインタビューした際、「大会はリラックスして観るよ」と言っていたのに、日本代表の快挙にかなり興奮したらしい。続けて、力こぶ絵文字が5つも送られてきた。

“トラウマ級の思い出”スペイン相手の勝利に喝采

 血が騒いだのも無理はない。

 イタリアとスペインは、地中海を挟んだ隣国同士で、両国の対戦カードは“メディテラネアン(地中海)・ダービー”と呼ばれる。

 1920年のアントワープ五輪での初対決から昨年秋のネイションズリーグ準決勝まで、公式戦の通算成績はイタリアの39戦11勝12敗16分と拮抗。EURO2020準決勝ではPK戦の末、アッズーリに軍配が上がったが、EURO2012決勝戦での4失点惨敗やロシアW杯予選敗退の要因となった敵地マドリードでの0-3完敗など、イタリア国民にはトラウマ級の嫌な思い出も多い。

 そんな歴史的ライバルを日本が胸のすくような逆転劇で撃破してくれた上に、仇敵ドイツの敗退まで決まったのだから、グループE最終節の夜もイタリアはノリノリだった。

 カタールW杯を中継する公営放送RAIは、連夜試合終了と同時に大会期間中の特番『イル・チルコロ・デイ・モンディアーリ』になだれ込む。

番組コメンテーターが日の丸ハチマキ姿に

 日本vsスペイン戦の夜は、オープニングで試合ハイライトが流れた後、番組スタジオの生バンドが日本の勝利を祝して80年代ポップス『Big in Japan』を軽やかに演奏。番組コメンテーターの一人、ユーリ・ケキは日本国旗に日の丸ハチマキ姿で“ジャッポーネ推し”に余念がない。

 ケキといえば、96年アトランタ五輪つり輪競技で金メダルを獲った欧州体操界のレジェンド。体操王国日本へ強い敬意を抱く彼は、イタリア・スポーツ界きっての日本通として知られる。

 ただし、興奮しすぎたためか得点シーンでは「イッポン(一本)! イッポン!」となぜか武道系の雄叫びを連発し、これにはもう一人の番組コメンテーターである重鎮マルコ・タルデッリも苦笑い。

【次ページ】 82年W杯優勝メンバーの名DFも率直に称賛

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