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ブラジル名手が「勇敢で知的で驚きに満ちた日本代表」とホメた一方で「カマダが本来の力を…ミナミノ、クボも」切ない報道な理由
posted2022/12/08 06:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
ラウンド16の日本対クロアチア戦について、試合前のブラジルメディアの予想は真っ二つに分かれた。
「前大会で準優勝し、2018年のバロンドール受賞者ルカ・モドリッチら実力者を擁するクロアチアが有利」とする見方があれば、「ドイツ、スペインを撃破した日本の勢いが優るだろう」という見解もあった。
SporTVの5人の解説者による恒例のスコア予想では、「2-1でクロアチア勝利」が2人、「2-1で日本勝利」が1人、「1-1で延長、PK戦の末にクロアチアが勝ち上がる」が1人、「1-1で延長、PK戦の末に日本が勝ち上がる」が1人。的中させたのは司会者のジニスで、「私だけ完璧に当てました」と鼻高々だった。
「日本の勇敢で知的で驚きに満ちた…」
最終的に、日本の4試合で延べ20人がスコア予想をしたが、最初の3試合の延べ15人はスコアはおろか勝敗すらすべて外した。的中させたのは、クロアチア戦の“勝敗”が3人、スコアに至っては1人だけと、解説者泣かせだった。
試合前、アナウンサーは「ブラジルの、そして世界中のファンの多くは、グループステージ(GS)でセンセーションを巻き起こした日本により大きな親近感を抱いています」とコメント。元ブラジル代表で2002年ワールドカップ(W杯)日韓大会で優勝したMFクレベルソンも「日本の勇敢で知的で驚きに満ちたフットボールは、非常に魅力的だ」と応じた。
日本にとってカタールW杯最終戦となったクロアチア戦を振り返りながら、ブラジルでの中継の様子をお伝えする。
前半8分、クロアチアはGKのロングキックが日本陣内に入る。CB冨安健洋が先着したが、左ウイングのイバン・ペリシッチが入れ替わってシュート。これをGK権田修一が前へ弾いたが、辛うじて抑えた。
この場面がスロー再生されると、アナウンサーが「ペリシッチが冨安の背中を押しています」とコメント。審判のジャッジを解説する元国際審判も「厳密に言えばファウルでしょう」と応じた。
前半は「日本が試合をコントロールしていた」
13分、日本が右サイドへ展開。伊東純也が低いアーリークロスを入れたが、ゴール前へ飛び込んだ前田大然がわずかに届かず、ファーサイドの長友佑都も追いつけなかった。その後、クロアチアも反撃するが、日本の高い位置からの積極的なプレスが効果を発揮して優勢を保つ。
43分、日本が右CKのチャンスをつかみ、堂安律がショートコーナーから左足で強いライナー性のクロスを入れる。これをファーサイドで吉田麻也がDFと競り合いながら折り返すと、ゴール前でフリーになっていた前田が左足で蹴り込んだ。