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「あそこは俺のコース」強気発言も連発、堂安律24歳がそれでも「メンタル強くない」と語る理由「壁に当たった時、唯一の救いは…」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2022/12/05 12:00
大会前から「優勝」を公言してきた堂安。ゴール同様強気な発言も“連発”の本人だが、メンタルについて聞くと「強くない」と意外な回答が返ってきた
ポジティブ思考を本人が解説
性格は極めて、ポジティブだ。
「壁に当たった時、唯一の救いは勘違いすること。ワールドカップで点を取ると思っていたし、絶不調で先が見えない中でも勝手にプレーをイメージしていた。そのおかげでトレーニングをつづけることができた。この性格に感謝です」
強気、貪欲、ポジティブの3拍子が揃った「怪物くん」的な堂安だが、「メンタルが強くない」というのは、ちょっとらしくない。だが、よくよく聞いてみると、どうもメンタルの捉え方が他人と違う。
「逆境が来た時、それを跳ね返せる人がメンタルが強いっていうならメンタルが強い人はたくさんいるし、自分もそうかなと思うけど、最初から何も恐れずに立ち向かえる人はいないと思う。そういう意味で自分はメンタルが強くないと思っています」
僕はメンタルは強くないですけど、自分のことを信じています
大舞台での試合を始め、何かに初めて挑戦する際、それまで何もせず、何も経験していない人が不安をまったく感じずに臨めることはほとんどないだろう。だが、何かしら自信のベースとなるものが得られていれば、自信を持ってピッチに立てる。堂安が自信を持ってピッチに立っているのは、メンタルというよりも自分の経験という裏付けによって実現できていることだ。
「僕は、メンタルは強くないですけど、自分のことを信じていますし、自分のやるべきことを最後までやり通すという強い気持ちがあります。そうして今までやってきたことがすべてピッチに出ると思うんで、ドイツ戦では何の迷いもなく、ピッチに立てました」