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「監督解任を求めたわけではない?」の質問に守田英正は何と答えた…アジア杯敗退後の“発言”をめぐる真意「恩をあだで返したつもりはない」

posted2024/02/15 17:45

 
「監督解任を求めたわけではない?」の質問に守田英正は何と答えた…アジア杯敗退後の“発言”をめぐる真意「恩をあだで返したつもりはない」<Number Web> photograph by JFA/AFLO

アジアカップ準々決勝のイラン戦敗退後に“監督批判”とも受け取られかねない問題提起をした守田正英。その発言の真意を明かした

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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JFA/AFLO

アジアカップ、イラン戦の敗戦直後、意を決してチームの問題点を指摘した不動のボランチ守田英正。“監督批判”とも受け取られたその言葉の真意は何だったのか。胸の内に秘めてきた日本サッカーへの熱い想いを真摯に語った。(初出:発売中のNumber1091号[独占インタビュー]守田英正「日本代表には軸がない」より)

アジアカップ敗退後に発した守田発言の“真意”

 近年の日本代表のミックスゾーンの中で、最も緊張が走った瞬間だったに違いない。イランに敗れてアジアカップ敗退が決まった直後、守田英正はミックスゾーンの天井をときおり見上げながら、チームの問題点を指摘した。

「もういろいろ考えすぎてパンクというか。正直、アドバイスとか、外からこうした方がいいとか、チームとしてこれを徹底しようとか、もっと提示して欲しい。それはもう正直に言っていいかなって」

 采配や戦術に関する要望だったため、瞬く間にネットで拡散され、森保一監督の解任を求める人々の格好の論拠となった。

 ただし、あくまでミックスゾーンでの記者とのやりとりにすぎず、言葉が切り取られて一人歩きしている部分もあるだろう。

 いったい28歳のボランチはどんな日本代表の未来を望んでいるのか? ポルトガルに戻った守田にオンラインで真意を聞いた。

恩を仇で返したつもりはない

――いきなり本題をぶつけます。どんな想いで問題提起したのでしょう?

「自分を棚に上げて何を言っているんだという声もあるでしょうが、もちろん自分自身にも矢印を向けていて、僕のせいでイランに負けたと思っています。先制点を決めましたが、それ以外はほぼ決定的な仕事ができず、ボランチとして状況を変えられなかった。同点にされた場面では、僕がワンタッチで斜め前の(遠藤)航くんに出せたのにバックパスをしたのが失点の原因。カタールW杯のクロアチア戦でもそうだったんですが、苦しい展開でボールを失いたくないという想いが強くなり、大胆さが薄れてしまった。自分に非がありました。

 また、今回の発言はチーム全体への提案であって、特定の個人に向けた批判ではないことも分かって欲しい。これまで森保監督と約5年間一緒にやらせてもらって、チーム内における僕の役割だったり、発言だったりを信頼してもらえていると感じています。受け止めてくれるとわかっているからこそ、僕のパーソナリティーを言葉に乗せた。恩を仇で返したつもりはない。『批判された! 切ろう!』となるような方じゃないと思います。

 僕はすべての行動に『日本サッカーをもっと良くしたい』という想いがある。日本代表をもっと強くできると信じているので、このタイミングで発言したんです」

「監督解任?」の問いに守田は…

――ということは、監督解任を求めたわけではない?

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