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「1点リードしたら俺に任せろ」“逆転弾”田中碧に“守備の要”遠藤航が託していた思い「俺が出ていたら…」「モドリッチ対策? 期待してほしい」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byKazuo Fukuchi/JMPA
posted2022/12/03 17:00
スペイン戦87分から“守備固め”として登場した遠藤航。ゴールを決めた田中碧には試合前、何度も告げていた言葉があった
「チームへの不安は全くなかったです。他の選手を信頼してるし、良いメンバーが揃ってるので。でも、監督には本当に申し訳ないというか、やっぱり難しい選択を迫ってしまったかなと。スペイン戦出場が全く無理であれば、多分監督も判断しやすかったと思いますけど、前日の段階で『何かもしかしたらいけるかも』ぐらいな感じの状態だったんで。コスタリカ戦からの3日間練習に一度も入らない選手をスタメンに使うべきなのかとか、僕としてもやっぱり7、8割の状態でスタメンで出るべきなのか(とか)、多分監督も考えたわけだし」
まさかアオが決めるとは…
代わりに先発出場した田中碧には思いを伝えていた。
「結局僕としては100パーセントでできるのでなければ、他の選手が出場する方がいいという意味では田中に託して。『1点リードしたら俺に任せろ』ってずっと言ってたんで。まさかアオが決めるってのはちょっとサプライズ……。まずあそこに入っていくっていうのは、本当に信じてはいたけれど、俺が出ていたらあそこまで(高い位置に)入ってたかわかんないし、そういう意味では今回はその賭けに勝ったなと」
ギリギリのアシストをした三笘薫も遠藤同様「なぜあそこにアオが走り込んでいるのか……」と驚く得点は、田中だから生まれた得点だと素直にたたえた。
遠藤が伝えたもう1試合の途中経過
試合は後半、同時進行のコスタリカ対ドイツに多くの得点が生まれ、日本が選択すべきプレーも刻々と変化した。遠藤ら交代出場の選手は、ピッチに入ると同時に伝令の役割も担った。
「いやもうとにかく伝えろって思っていて、トミ(冨安健洋)が入ったとき(68分)は多分まだコスタリカ対ドイツは1−1だったんでとりあえずそれは伝えろって言って送り出して、僕が入ったとき(87分)はもう2−3になっててそれも伝えて。失点できないっていうのはわかってたんで、全員に伝えきれてはなかったですけど、まあ後ろの選手を中心に伝えて」